【WOLF HOWL HARMONY】ペンキ店、美容師、土木関係……から夢を掴んだ4人のデビュー第一声!

WOLF HOWL HARMONY(ウルフ・ハウル・ハーモニー)が8月23日、エイベックスよりメジャーデビュー。デビュー曲『Sweet Rain』を発売した。

約4万8,000人が参加したLDH史上最大のオーディション「iCON Z~Dreams For Children~」のファイナリストのGHEE(ギー・25)、HIROTO(ヒロト・21)に、iCON Z第2章から参加し、コーラスグループDEEP SQUADとしても活動中のRYOJI(リョウジ・27)、SUZUKI(スズキ・28)を加えた4人組のボーカル&ラップグループ。ダンスを得意とするグループが多いなか、彼らの最大の武器は4人の歌唱力だ。

■音楽に真剣に向き合う姿と普段の僕らとのギャップを楽しんでほしい

――オーディションから夢者修行を経て約2年、デビューまでの道のりやオーディションにかけた思い、メンバー同士だからわかるメンバーの素顔を聞いた。

RYOJI:ようやくスタートを切れるんだというワクワク感と、あらためて初心に戻って地に足をつけて一歩ずつ進んでいかなくてはならないという覚悟と、両方の気持ちがあります。楽曲を含めて自分たちの魅力をどんどん発信し、たくさんの人たちにWOLF HOWL HARMONYのことを知ってほしいです。SNSで生配信中の動画を見ていただくと、音楽に真剣に向き合う姿と普段の僕らとのギャップを楽しんでもらえると思いますし、みなさんを飽きさせない魅力があると自信を持って言うことができます。

――デビュー曲の『Sweet Rain』は、「友達以上恋人未満」の関係を歌ったラブソング。夢者修行で全国行脚をしている間も歌い続けてきた楽曲ですが、デビュー曲に決まった時の気持ちは?

SUZUKI:候補の曲が2曲あって、最終的にファンによるSNS投票で決まりました。デビュー曲としてめちゃめちゃ大事な曲なのはもちろん、ファンのみなさんの思いも込められた曲なので、思い入れも強いです。曲自体は、友達以上恋人未満にいる2人の、言いたくても言えない思いをリフレインで表現、加速する心臓の鼓動とビートがリンクするラブソングです。聴いているうちに自然に体を揺らしたくなるようなノリのよい曲で、疾走感があって、爽やかで、夏にピッタリの曲だと思います。

――歌うときにこだわったところは?

GHEE:僕が歌う“雨のち恋模様”というパートは音がいっさいありません。レコーディングでも音がない状態で声を入れるので、ニュアンスが出せるように声の出し方もすごく工夫しました。

RYOJI:アコースティックでメローな感じで入って、一つのサウンドをきっかけにどんどんグルーヴ感を出していく。デビューを目指して歩み続けてきた時間が走馬灯のように蘇るような疾走感があります。自分はウォーキングが大好きなんですけど、歩きながらいろいろ考えをめぐらせる習慣があって、イメージを膨らませるのにすごくいい曲だと思います。ドライブソングにもおすすめの曲で、僕のフェイバリットソングです。

■オーディションのことを知り、一筋の光が見えた

――RYOJIさんとSUZUKIさんは、iCON Z第2章に参加する前からDEEP SQUADとしても音楽活動をしていました。GHEEさんとHIROTOさんはオーディションに参加する前はどんな仕事をしていたのですか?

GHEE:トラックの運転手や土木関係の仕事をしたり、とんかつ店のアルバイトもやりました。コロナ禍で上京し、右も左もわからず都会で揉まれていたときにオーディションのことを知り、一筋の光が見えたという感じです。

HIROTO:僕は、親が介護の仕事をしていたので、看護師を目指して医療系の高校と専門学校に行きました。専門学校に通っていたころに歌手になりたいという気持ちが強くなって、オーディションに挑戦しました。安定した道に進んでほしいと思っていた親からはすごく反対されましたし、オーディション中もかなり心配をかけました。今、ようやく親に恩返しできるスタートラインに立てたのかなあと思っています。

GHEE:本格的なレッスンはオーディションが始まってから。小さいころはずっとサッカー選手になりたかったんですが、経済的な理由で諦めたこともあって、両親はずっと自分たちのせいだと悔やんでいました。僕の母はヨーロッパ系のブラジル人で、父は日系ブラジル人です。やはり外国人が日本で暮らしていくのはとても大変で、両親が苦労している姿をたくさん見てきました。歌手になるという新たな夢をかなえ、両親に恩返しをしたいという気持ちでオーディションを受けて、今に至っています。デビューが決まったとき、両親がめちゃめちゃ泣いていたのが忘れられないですね。

――RYOJIさんとSUZUKIさんはすでにプロだったにもかかわらず、あらためてオーディションを受けようと思ったのはなぜ?

RYOJI:DEEP SQUADとしてデビューしてすぐにコロナ禍になってしまって、そんなときにiCON Zのオーディションのことも知って、第1章参加者のライブを観に行ったこともありました。HIROさんからオーディションに参加してみないかというお話があったとき、昔から歌って踊ってラップするアーティストが好きだったことを思い出して、自分ももっとパフォーマンスができる人間になりたいと思ったんです。ずいぶん悩みましたが、この新たな夢を本気でかなえるためには、帰る場所はないと思って臨まなきゃいけない。オーディションでデビューを勝ち取れなかったら、もうプロでやるのは諦めようという覚悟でした。

SUZUKI:実際、いろんな声がありましたし、僕たちが参加することに肯定的じゃない方もいました。でも、自分の夢をかなえるため、DEEP SQUADのため、何より応援してくれている人たちにもっと良い景色を見てもらうためにも、オーディションに参加しようと決意しました。僕たちにはオーディションに落ちても後があると言われましたが、そういう気持ちは全くなかったです。

――お二人も音楽活動以外のお仕事をしていたことがあるんですか?

RYOJI:ペンキ店勤務でした。壁塗りはもちろん、床張りとか左官の仕事もできますよ(笑)。ペンキの色を作る調色もやっていたので、今後はグラフィックとかも挑戦してみたいんです。今の仕事にも生かせることが多いんじゃないかなと思います。

SUZUKI:沖縄から上京したときは、美容師の見習いとして美容室で働いていました。その後はパチンコ、居酒屋、といろんなところを転々と。

RYOJI:音楽業界に入ったのが遅いぶん人生経験も豊富だと思うので、表現する者としてそこを武器にしていきたいですね。

■オンはもちろん生活も4人一緒。メンバー互いをリスペクト

――4人で共同生活をしていると聞きました。同じグループだからこそわかるメンバーの素敵なところを教えてください。HIROTOさんのいいところは?

RYOJI:HIROTOは本当に素直で、真っ直ぐな子。何にも染まっていないというか、パステルカラーくらいピュアです(笑)。人から自分のダメなところを指摘されても、嫌な顔一つせず、「どこがダメでしたか?」と聞いてくる。そういうなんでも吸収しようとするところは素敵だなと思います。それと、普段一緒に生活していて、「ありがとうございます」「すいません」という言葉を清々しく言えるところ。当たり前な言葉ほどなかなか言えないこともあるけれど、HIROTOはしっかり伝えられる人で、リスペクトしてます。

SUZUKI:穏やかで、めちゃくちゃ優しいです。

GHEE:僕はオーディションのときからずっと一緒で、最初のころのHIROTOは人のことをあまり考えないタイプというか、自分さえよければいいや、みたいなところがあったんです。それが、日を追うごとに周りのことを見られるようになってきて、自分ができたら人に教えてあげるとか、そういうことできるようになった気がします。あと、何よりもかわいくて、意外と負けん気もあります。

SUZUKI:RYOJIの素敵なところは、周りにいる人を笑わせてくれるところです。笑顔にさせる力があるなあって。

GHEE:クールに見えるんですけどお茶目なところもあって、一緒にいて楽しいよね。僕は、RYOJIさんの笑い方もすごく好きで、見ているだけで元気が出る(笑)。あと、これはよく言っていることですが、頼れる兄貴で、男じゃなくて漢っていう感じ。

RYOJI:自分が思うに、自由人だし、抜けているところがあるんですよ。それに、宇宙人って言われます(笑)。

GHEE:それは本当、宇宙人です。まあ、僕は人のことは言えないけど(笑)。

SUZUKI:あなたもなかなかですよ(笑)。RYOJIくんは基本的に何を考えてるかわからないタイプで、急にいなくなることも結構ある。たとえば、RYOJIに誘われて一緒にスーパーに買い物に行ったときにRYOJIの姿が見えないから、どこ行ったんだ? と思って電話すると、「もう家にいるよ」って。べつに先に帰ってもいいんですけど、せめて一言あるんじゃないかなあって(笑)。

RYOJI:帰る場所は同じだからいちいち言うのが面倒で(笑)。でも、みんなに言われるとさすがに申し訳ないと思って、最近は連絡しています。

HIROTO:「先に行ってるぞー」って。絵文字とかなく、ひらがなだけだけどね(笑)。

RYOJI:GHEEちゃんの宇宙人なところって、やっぱり奇声かな(笑)。ストレス発散なの?

GHEE:ストレスじゃないです!

SUZUKI:でも、ずっとテンションが高いところはいいと思う。僕らも元気をもらえるんですよ。やっぱりブラジル特有の陽気さというか、GHEEちゃんのいいパッションがWOLFを明るくしてくれているなと思います。

RYOJI:空気を読んで、その場に合った対応ができる人ですね。レコーディングで遅い時間までかかってしまったとき、スタッフさんにコーヒーを差し入れするとか、周りに気を遣えるところが素敵だと思います。

HIROTO:とにかく優しいんですよ。人の話って、他人ごととして聞く人がほとんどだと思うんですけど、僕のプライベートの悩みでも同じ目線で聞いてくれて、泣いてくれたりするんです。感情豊かだなあって思うし、優しいなあって。

GHEE:スーくん(SUZUKI)はツンデレです。基本ツンツンしていて、誰にでも塩対応。

SUZUKI:人見知りなんですよ。初対面の人とはいっさい自分からしゃべらないので、怖がられるし、めちゃくちゃクールな人だと思われることが多いです。

RYOJI:で、デレもある。

GHEE:2人でいるとき、「あのパフォーマンス良かった」って褒めてくれたりするので、たまにウルってきちゃうことがあるんです。応援してくださる人も配信とかでスーくんの意外に遊び心があるところを見て惹かれると思います。

RYOJI:グループのムードメーカーでもあります。彼はお笑い芸人さんがすごい好きで、そういう芸人さんのノリで笑わせてくれる。それが面白いし、本当に振り切ってやるのですごいなあって。沖縄バイブスが強いんです。

■スピード感をもって大きいステージに向かわないといけない

――最後に、今後のグループの目標や夢を聞かせてください。

RYOJI:iCON Zから3チームが同時にデビューしますが、自分たちはそのなかでも年齢が高いグループなので、そのぶんスピード感をもって大きいステージに向かわないといけないと思っています。そして、その先の世界進出も本気で狙っています。とにかく全力で頑張って、たくさんの人に愛してもらえるようなグループになれたらいいなと思っています。

© 株式会社光文社