【MLB】 エンゼルスが接戦に敗れる 大谷は無安打、打球が上がらないというデータも

写真:ノーヒットに終わった大谷

現地時間9月2日、アスレチックスが接戦を守り切ってエンゼルスに勝利した。先発ポール・ブラックバーンが5回1失点の好投を見せると、5投手の無失点リレーで1点のリードを守りきった。ブラックバーンが4勝目を挙げ、9回に登板したトレバー・メイに16セーブ目が付いた。エンゼルスは先発のグリフィン・キャニングが6回2失点7三振と好投し、リリーフ陣も無失点で勝機を繋いだが、今日は打線が沈黙した。

エンゼルスは1回表一死満塁から5番ルイス・レンヒーフォが放ったショート後方への小フライで、三塁ランナーのノーラン・シャニュエルがホームインして先制。その後はエンゼルス先発のキャニングとアスレチックスの先発ブラックバーンの好投が続き、膠着状態に。4回裏にアスレチックスの4番ブレント・ルーカーがレフトに2ラン本塁打を放って逆転。エンゼルス打線は7回に反撃のチャンスを作ったものの、代走アンドリュー・ベラスケスが痛恨の三盗失敗。9回の最後のチャンスでも、2番大谷翔平が申告敬遠された後の打者が続けず、あえなく1点差試合に敗れた。

大谷翔平の連続安打が4試合でストップした。右肘靭帯の損傷が発覚した後も打者としてのプレーを続ける大谷だが、靭帯損傷が明らかになった8月23日から昨日までの期間で打率.355をマークしている。その期間で四球率20.5%、三振率15.4%と三振を上回る四球をマークし、出塁率は.487とその成績の質は高い。

しかし、気がかりなのはホームランが出ていないこと。

今日の試合を含めて9試合連続でホームランが無く、これは今シーズンで最長の記録だ。

少ないサンプルながらデータを見てみると、確かに以前の大谷とは違う姿が数字に反映されている。8月23日以前、以降のデータをMLBが提供するデータサイト『ベースボール・サーヴァント』で参照すると、打球が上がらなくなっていることが分かる。

ゴロ率は42.2%からMLBの平均以上の48.0%へ、打球角度は13.5度から3.6度へ。ゴロ打球にはフライ打球と比べて、長打の期待値が低いものの、打率の期待値が高いという特性がある。鋭いゴロを放ち、ゴロ打球における打率は今シーズン通算で.325をマークしている大谷は、8月23日以降もゴロ打率.333と高水準にある。しかし、その内訳を見てみると、平均打球速度は約132キロと靭帯損傷以前の平均約145キロから大幅ダウン。打球速度・角度から算出される期待打率(xBA)は.269であり、これも靭帯損傷以前の期待打率.285から落ちている。

しかし、今日も申告敬遠2つを含む3四球と勝負される機会は怪我以降でも限定されており、これはごく少ないサンプルに過ぎない。日本人選手初のホームラン王、50号達成など、期待されるマイルストーン達成のためにも、この状況がどう動くか注目したい。

© 株式会社SPOTV JAPAN