22年度の県内労働紛争相談、最多は「自己都合退職」 山形労働局まとめ

民事上の個別労働紛争の主な相談内容の推移

 山形労働局がまとめた2022年度の民事上の個別労働紛争に関する相談で、「自己都合退職」に関わる内容が4年ぶりに最多となった。企業の人手不足感が高まる状況もあり、「辞めたいのに辞めさせてくれない」といったケースが目立つという。一方、昨年まで3年連続で最多だった「いじめ・嫌がらせ」は減少したものの、統計方法の変更でパワハラ関連と分けたためで、依然として多い。

 労働基準法など法律違反に該当するケースを除く22年度の民事上の個別労働紛争相談件数は、前年度比26.3%減の2057件。このうち、「自己都合退職」が447件で21.7%を占めた。労働者側が退職を申し出たものの、人手不足を理由に「考え直してくれ」と認められなかった事例などがあったという。

 「いじめ・嫌がらせ」は340件で16.5%。22年度から改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が全面施行され、パワハラに関する相談は分けて集計することになった。同法に基づくパワハラ関連相談は410件で、合わせると750件で最多となる。嫌がらせなどの発生だけではなく、企業からの制度に関する照会も多いという。

 全体の相談者の83.2%を労働者が占める。内訳は正社員36.4%、パートやアルバイトの短時間労働者11.9%、有期雇用労働者9.5%。

 民事上の個別労働紛争相談のうち、労働局長が解決の方向を示す「助言・指導」の申し出件数は82件で前年度より10件減少した。弁護士による紛争調整委員会が解決策を示す「あっせん」の申請件数は17件で、前年度より2件増えた。

 同労働局は「労働者、事業主の双方から寄せられる労働相談に適切に対応し、労働紛争の未然防止と迅速な解決に取り組む」としている。

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