石川遼「記憶にない」5パット “76”で初の富士桜3勝目ならず

2打差3位から「76」と失速し、11打差19位で終えた(撮影/村上航)

◇国内男子◇フジサンケイクラシック 最終日(3日)◇富士桜CC(山梨)◇7424yd(パー70)◇晴れ(観衆2008人)

3つ落として迎えた後半15番、石川遼は上から5mのバーディパットを狙いにいった。「そんなに(きついと)読んでいなかった」というカップを過ぎてからの下りが想像以上。ボールは2m超オーバーした。反対側からの上りも1mほど打ち過ぎ、ボギーパットも2.5mの返しを残すミス。「最初からジャストタッチで寄せにいくような『2パットでOK』という狙い方をしていたら起きなかったと思う。全部狙っていってしまった感じ」と2オン5パットを喫し、唇をかむトリプルボギーとなった。

「敗因」にはパットではなく、ショットを挙げた(撮影/村上航)

「記憶にない」と話す5パットだが、「敗因はそれじゃない」。2打差から首位を追う中で1番から寄せワンで何とかパーを拾う滑り出し。2番はフェードを打ちにいって引っ掛け、セカンドが出すだけとなってボギーが先行した。

悔やんだのは6番、8番と前半で獲りたいパー5。6番はフェアウェイからのセカンドを大きく左に曲げ、タフな状況からギリギリを狙ったアプローチのミスが重なってダブルボギー。8番も思うようなセカンドを打てず、パーどまり。4日間12ホールあったパー5で、バーディは2日目の8番だけだった。

史上初の富士桜3勝目はならなかった(撮影/村上航)

これまで3日間は高水準だったパーオン率は50%(9/18)にとどまった。タフなグリーン周りのラフにつかまってスコアを落とすシーンが、そのままダメージとして積み重なった。「きのうまではそんなにグリーンを外していなかったので、『そこ』をやらずに済んでいた。グリーンを外れた瞬間に(深い)ラフの洗礼を受けて、ボギー、ダボが先行して。一日、前のめりにならざるを得ない感じで、そういう小さな蓄積が自分に対して苦しさを前半から作ってしまった」。2打差3位で最終日をスタートして「76」ともがき、優勝した金谷拓実とは11打差の3オーバー19位。疲労感をにじませ、史上初の3勝目を狙った富士桜を去った。(山梨県河口湖町/亀山泰宏)

前のめりになった一日と振り返った(撮影/村上航)

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