アプリリアがMotoGP初の1-2。ランキング首位バニャイアは足を轢かれて病院へ/第11戦カタルーニャGP 決勝

 9月3日、2023MotoGP第11戦カタルーニャGPの決勝レースがカタロニア・サーキットで行われ、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が勝利を飾り、2位にマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)が入りアプリリアがMotoGPクラスで初のワン・ツー・フィニッシュを果たした。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は15位で終えている。

 この日もレッドクロスが振られ、小雨の状況で朝のウォームアップ走行がスタートするが、全ライダーがドライタイヤで最後の確認を行っていた。エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)の転倒はあったが大きなトラブルはなく、トップは1分40秒082マーベリック・ビニャーレスだった。

 その後のMoto3クラスとMoto2クラスの決勝レースはドライコンディションとなり、MotoGPクラスも曇り空の下で進行された。決勝レース前のサイティングラップではイケル・レクオーナ(LCRホンダ・カストロール)が転倒を喫する場面も見られ、スペアのマシンに変更していた。

 そして22人のライダーが、気温26度、路面温度32度のなか24周の決勝レースを開始。フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がホールショットを奪うが、後方で5台が絡むクラッシュが発生。2コーナーではトップのバニャイアがハイサイド転倒を喫して後続のブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)に足を轢かれてこちらも転倒。レースはこの直後に赤旗中断となる。

2023MotoGP第11戦カタルーニャGP 決勝 1周目のクラッシュ

 1コーナーでクラッシュしたバスティアニーニ、ヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)、アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(グレシーニ・レーシングMotoGP)、マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)のドゥカティ勢5台はレース再開に向けてピットに戻るが、バニャイアの元には救急車が向かい、メディカルセンターに搬送された。

 ビンダーの転倒時にはマシンからオイルが出たようで、路面の処理に時間がかかる。第2レースは1周減算の23周。バニャイアとバスティアニーニはメディカルチェック、その後骨折がないかの検査のために病院に向かったため、復帰はできなかった。ふたりともに意識があることが確認されている。

 再開された20台によるレースはマルティンがホールショット。ビニャーレス、アレイシ・エスパルガロが続き、4コーナーでビニャーレスがトップに立つ。その後、ポル・エスパルガロ(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)がマシントラブルで失速してレースを諦めた。

 1周目はビニャーレス、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)、アレイシ・エスパルガロ、ミゲール・オリベイラ(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)、ザルコ、ジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)の順だ。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が9番手、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が10番手につける。

 3周目にはマルティンをかわしたアレイシ・エスパルガロが2番手に浮上。翌周にはオリベイラもマルティンを交わして、1から3番手までがアプリリアのマシンとなる。4周目には6番手だったビンダーがマシントラブルのようで失速してリタイアした。

 その後は上位勢にバトルが起きず、各車が一定のギャップを築く。9周目は6番手のミラーがアレックス・マルケスにかわされる。10周目の1コーナーではマルティンがオリベイラから3番手を奪い返す。トップが翌周に入ったタイミングでラウル・フェルナンデス(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)がマシントラブルでピットイン。

 12周目にクアルタラロがミラーをオーバーテイクして7番手に浮上。レース後半はトップからビニャーレス、アレイシ・エスパルガロ、マルティン、オリベイラ、ザルコ、アレックス・マルケス、そしてクアルタラロだ。

 残り6周、2番手のアレイシ・エスパルガロが1番手のバニャイアに近づき優勝争いが激化。残り4周の1コーナーでアレイシ・エスパルガロがトップに浮上。そのまま差を広げていった。

 レースはこれで決着。アレイシ・エスパルガロが優勝、ビニャーレスが2位でアプリリアがワン・ツー・フィニッシュ。マルティンが3位表彰台を獲得した。

 4位はザルコ、5位はオリベイラ、6位はアレックス・マルケス、7位はクアルタラロ、8位はミラー、9位はアウグスト・フェルナンデス(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)、10位はディ・ジャンアントニオだった。マルク・マルケスは13位だ。

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