恣意的「NO1広告」が横行 消費者庁問題視、処分も

「NO1を取得できる」と勧誘する営業メール

 商品やサービスの利用有無を問わずに満足度を尋ねるといった、不適切な調査に基づく「NO1広告」が横行している。消費者庁は「調査手法が客観的ではない」と問題視し、掲載した広告主が行政処分を受けたケースも。NO1調査を請け負っていた業者は広告主に「1位を取得できる」と結果ありきの営業メールを送っており、恣意的な実態が浮かび上がった。

 「1位にしたい会社を選択肢の一番上にする」「尋ねる項目を変え、1位が取れるまで質問を繰り返す」。業界関係者はNO1誘導の手口を明かす。製品を使っていない人も回答者に含め、商品サイトの印象で満足度を尋ねる手法もある。

 東京のマーケティング業者は、営業先に「NO1の表記を使えるようにする」「取得できなかった場合、費用はいらない」とのメールを送っていた。調査を依頼した広告主は「1位の権威がほしかった」「項目三つで90万円払った」と証言する。

 不正確な調査が横行する背景には、広告主側が根拠のないNO1獲得の勧誘に安易に乗る構図がある。

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