【新刊紹介】『植物に死はあるのか 生命の不思議をめぐる一週間』稲垣栄洋 著

『植物に死はあるのか 生命の不思議をめぐる一週間』稲垣栄洋 著/SBクリエイティブ/新書判216頁/2023年7月/990円(税込)

事業所移転にともない見事な胡蝶蘭を頂戴した。基本的な育て方をネット検索で確認する。やはり胡蝶蘭の管理は難易度が高いのか、休みの前日に適切な量の水を与えたのだが、週明けには花が枯れ始めていた。まだまだ枝葉は元気に見える、そんなタイミングで本書が目に止まった。

『木は生きているか?』の問いに、「死んで固くなった細胞が樹木の中心として立ち、外側のやわらかい生きた細胞で成長している。木は生きながらに死んでいるともいえる」。死んだ古い細胞に包まれた人間もまた生と死を共存しているのだ。

植物を題材に、生命や宇宙の起源にまで想いを馳せる不思議な一週間。

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