県内男女格差どう解消 宇都宮で市民団体がシンポ 50人が意見交換

実体験を基にジェンダー問題について意見を交わす参加者たち=3日午前、宇都宮市内

 ジェンダー・ギャップ(男女格差)の解消について考えるシンポジウム「愛アル栃木G7編」が3日、JR宇都宮駅東口の交流拠点施設「ライトキューブ宇都宮」で開かれ、県内外から約50人が参加した。6月に日光市で開催された先進7カ国(G7)男女共同参画・女性活躍担当相会合を契機として本県の現状と課題を見直し意見を交わした。

 市民団体「とちぎ女性会議実行委員会」の主催。G7サミットの閣僚会合を経て高まるジェンダー(社会的性差)への関心を、男女平等な社会づくりに生かそうと企画した。

 県人権男女共同参画課の担当者が閣僚会合の概要を報告し、本県の現状を説明。共働き率や家事時間の男女間格差が全国平均より大きいことなどが紹介された。

 これを受け、参加者は本県の実態についてグループで議論した。「保守的な地域では男性にまとめ役を任せたいという高齢女性も少なくない。世代間で考え方に差がある」「男性の育休取得率は全国平均より高いのに、家事の協働につながっていないのはおかしい」といった声が挙がった。

 「男女共同参画に向けてどう行動するか」については、「考えが異なる人とも対話する」「自分の中の固定観念を一つ一つ外す」「妻や母という立場に縛られない生き方を子どもに見せる」との意見が目立った。

 同会議実行委員長の吉田公美(よしだくみ)さん(47)は「G7はいいきっかけをくれた。こうして意識を共有し続けることが大切だ」と話した。

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