「三冠王」ミゲル・カブレラが打ち立てた隠れた大記録

写真:通算安打数で歴代17位まで上り詰めたタイガースのミゲル・カブレラ

日本時間9月4日のホワイトソックス戦でタイガースのミゲル・カブレラが5打数4安打3打点の大活躍。チームの圧勝に貢献した。

カブレラはこの4安打で通算安打数を3158本に伸ばし、ジョージ・ブレットを抜いて単独で歴代17位に。16位のエイドリアン・ベルトレと8本差まで迫った。MLB公式のタイガース番記者ジェイソン・ベック記者によれば、カブレラは自らが成し遂げた偉業について「トニー・グウィンやジョージ・ブレットを追い越すことができるなんで信じられないよ。若い頃の自分なら、『とんでもない、追いつけるわけないじゃないか』って言うだろうね」と語っていたようだ。

そんなカブレラだが、実は歴代安打記録の影で、もう一つ大記録を達成していたことをブレット記者は指摘している。

それは、「タイガース所属の40歳以上の選手が1試合4安打」という記録だ。1944年にチャック・ホステトラーが達成して以来、実に79年ぶりの達成だった。

カブレラが歴史に残る選手なのは言うまでもないことだが、以前に達成したホステトラーも別の方向性で歴史に残る選手だ。ホステトラーは1928年から1937年にかけてマイナーリーグでプレーした後、工場で働きながらセミプロリーグで野球を継続。第二次世界大戦で多くの選手が軍務に赴いた1944年にタイガースのトライアウトを受け、40歳にしてメジャーリーガーとなった。

そんなこんなで「史上最高齢のルーキー」としてデビューしたホステトラーはこの年の6月18日に4安打を放つ大活躍。最終的に90試合で打率.298をマークする活躍を見せている。最終的に放った安打数は86安打にとどまったホステトラーだが、1945年にはワールドシリーズ優勝を達成するなど歴史に名を刻んだ。彼の記録は79年間達成されずに残り続けていたのだ。

今年限りでの引退を発表しているカブレラ。残された現役期間はわずかだが、新たな記録を樹立することはできるだろうか。

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