辺野古、沖縄県敗訴が確定 軟弱地盤工事、再開の可能性

最高裁判所=東京都千代田区

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、軟弱地盤改良工事の設計変更を承認しなかった沖縄県に対する国土交通相の是正指示は違法だとして、県が取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は4日、県側の上告を棄却した。是正指示を「適法」とした県側敗訴の福岡高裁那覇支部判決が確定した。

 裁判官5人の全員一致の意見。辺野古移設で県と国が争った訴訟は13件あり、7件で県側敗訴が確定した。4件は和解や取り下げで終結。今回の判決で主要な法律上の論点が出そろい、現在係属中の2件も県の勝訴は厳しい見通しとなった。国が埋め立て工事再開へ向かう可能性があり、法的対立は節目を迎えた。

 軟弱地盤改良工事は知事の承認が必要。移設反対を掲げる沖縄県の玉城デニー知事は今回の判決確定に伴って設計変更を承認する義務を負う形となり、今後の対応が焦点だ。松野博一官房長官は記者会見で「沖縄県において判決に沿った対応が速やかになされるものと考えている」と述べた。

米軍普天間飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市辺野古の沿岸部=4日午後

© 一般社団法人共同通信社