広島カープ 接戦&熱戦の中日3連戦 攻守に輝く末包昇大 森下暢仁は完投 逆転Vへ がむしゃら 玉村や中4日・九里粘るも…

広島カープは、ペナントレース佳境―。首位・阪神との差も気になりますが、3位・DeNAとの差も気になります。週末の3連戦はいずれも接戦となりました。

9月1日(金)玉村粘投! 堂林・坂倉が奮闘

最下位・中日をホームに迎えて行われた週末の3連戦。カード初戦を任されたのは、自身、2連勝中の 玉村昇悟 。いい滑り出しと行きたいところでしたが、1回、2アウト・ランナー1塁で竜の4番・石川を打席に迎えると、打球はライト線ギリギリに落ちて、タイムリーツーベースに。先制を許します。

その後、フォアボールでランナー2塁・1塁とピンチを迎えますが、高めのストレートで空振り三振。ピンチを切り抜けます。

なんとか立て直したい玉村でしたが、3回には2者連続のソロホームランで2失点。苦しい展開となります。

しかし、そのウラの攻撃、先頭の3番・小園海斗 。内を突いたストレートをうまくとらえて、ライトスタンドへ。小園の今シーズン第5号ホームランで1点を返します。

先発の玉村は、4回・5回を3者凡退に抑えるナイスピッチング。巻き返しに向けて流れを作ります。

すると6回、玉村の踏ん張りに打線が応えます。3番・小園と4番・西川龍馬 が連打で出塁すると、5番・デビッドソン がフォアボールを選んで満塁に。クリーンナップがつないだチャンスに続いたのは、8月、絶好調の6番・堂林翔太 。「後ろにつなぐ気持ちでなんとか続くことができてよかった」とタイムリーヒット。点差を縮めます。

1点を返し、なおも満塁のチャンスで打席には7番・坂倉将吾 。一振りで試合を振り出しに戻します。

優勝争いに向けて負けられないカープは、自慢のリリーフ陣に継投。7回は、3番手・矢崎拓也 が、3者凡退に抑えるさすがのピッチング。

8回には、前の登板で35ホールドをあげた 島内颯太郎 をマウンドに送ります。しかし、2番・カリステにこの日、2本目のホームランを打たれると、6番・木下にもタイムリーを打たれ、まさかの2失点。

この2点差を最後まで詰められなかったカープは、2連敗。最下位相手に痛い敗戦となりました。

8月2日(土)攻守に輝く末包 森下 完投

久々にマツダスタジアムでのデーゲームでとなった中日とのカード第2戦。この日の先発は、今シーズン、7勝を挙げている 森下暢仁 。2回にはノーアウト・ランナー2塁・1塁とピンチを迎えますが、6番・宇佐見を空振り三振に仕留めると、続くバッターを連続でフライに打ち取り、3アウト。序盤のピンチを切り抜けます。

打線は、そのウラの攻撃。デビッドソンが、中日先発・高橋宏斗からこの試合、チーム初のヒット。

さらに4試合ぶりにスタメンの 會澤翼 が、2ベースヒットで2アウト・ランナー3塁・2塁と先制のチャンスを作り、打席には直近5試合で3ホーマー右の大砲・末包。「きのうは得点圏でやられていたので1打席目からやり返すことができた」とタイムリーヒット。幸先よく先制します。

その末包、守備でも魅せます。3回、ライト前に落ちるかという当たりを気迫のダイビングキャッチ。末包の攻守にわたる活躍で流れを手繰り寄せます。

そのウラのカープの攻撃。1アウト・ランナー3塁・2塁とまたもやチャンスで西川に代わり打席に入った 松山竜平 。151キロのストレートを外野深くまで運び、犠牲フライ。ベテランの松山が、さすがの一振りで追加点を奪います。

1点を追加して、なおも1アウト・ランナー3塁のチャンスに8月に9本のホームランを放っているデビッドソン。変化球をとらえて左中間を破るタイムリーツーベース。リードを広げます。

一方、先発の森下は、正念場を迎えます。4回、3番・細川にソロホームランを打たれて失点を許すと、5回には2アウト・ランナー3塁・2塁と一打逆転のピンチを迎えます。

迎えるバッターは、前の打席で今季、第20号のホームランを放っている細川。高く舞い上がった打球はショートフライに。ここは打ち取り、流れを中日に渡しません。

その後は、本来の森下のペース。6回は4番から始まる強力打順でしたが、緩急の効いたピッチングで3者凡退に抑えると、7回には得点圏にランナーを背負いますが、前の試合で2本のホームランを放っているカリステをセンターフライに打ち取ります。

8回はバックの助けもあり、クリーンナップを3者凡退。終盤、調子を上げて中日打線を抑えます。

8回終了時点で球数が100球を超えた森下でしたが、そのまま9回もマウンドへ。最後までしっかり抑えた森下は、これで7月12日以来の完投勝利。接戦を制したカープは連敗を止め、貯金14としました。

広島カープ 末包昇大 選手
「先制点が大事だと思っていましたし、ああいった場面で回していただいたので、きょうは仕事しないといけないなと思っていました。結果が出てよかったなと思います。守備では(森下)暢仁さまに迷惑かけないようにやっておかないといけないので、最低限できたかなと思います」

広島カープ 森下暢仁 投手
「前回、本当にふがいないピッチングをしていたので、なんとかいい形でつなぎたいと思っていたんですけど、気づいたら9回で、最後までマウンドに立ててよかったです。本当に熱い中、声援ありがとうございました。チームは勝つしかないので、もっともっと熱い声援よろしくお願いします」

9月3日(日)中4日で九里 逆転Vへ がむしゃら

前日のくもり空から一転、強い日差しのもとで始まったカード第3戦。カープは、先の対戦カードを見すえて、先発は中4日で 九里亜蓮 をマウンドへ送ります。その立ち上がり、2つのフォアボールなどで2アウト・満塁といきなりピンチ。迎えるバッターは、打率3割越えの6番・宇佐見。スライダーで空振り三振。初回のピンチを切り抜けます。

しかし3回。1アウトで得点圏にランナーを背負い、打席には前の試合でマルチ安打を放っている3番・カリステ。打ち取った当たりでしたが、名手・デビッドソンがまさかの悪送球。ボールは砂かぶり席に入り、2塁ランナーがホームへ生還。先制を許します。

4回もランナーを背負った九里。9番・柳から三遊間を抜けるヒットを打たれますが、堂林が、正確なバックホームへの返球を見せてタッチアウト。バックが盛り立てて、九里は最少失点で踏ん張ります。

援護したい打線はそのウラ、1アウトから3番・小園海斗 が、ツーベースヒット。その後、進塁打で2アウト・ランナー3塁として打席には5番・デビッドソン。同点のチャンスでしたが、ここは空振り三振。中日の先発・柳をなかなか打ち崩せません。

九里は、5回もランナーを背負いながら粘り強いピッチングで抑えますが、ここで交代。中4日での登板でしたが、自責点0と試合を作り、マウンドを後続に託します。

なんとしてでも勝ちたい新井カープは、九里に変えて執念の継投。6回は、無失点登板を続けている 大道温貴 。ところが、ノーアウト・3塁・2塁と大ピンチを招きます。それでも8番・石垣をキャッチャーゴロで仕留めると、続く柳もセカンドゴロ。サードランナーは動けず。中日に追加点を許さず、大道は無失点登板を12に伸ばします。

7回には今シーズン、46回目の登板となる 矢崎拓也 が、たった13球で3者凡退。勝利に向けて奮闘します。

しかし8回。4番手の 島内颯太郎 が、連打から1アウト・ランナー3塁・2塁とピンチを招きます。代打・後藤にチェンジアップをとらえられ、タイムリーツーベースに。追加点を許してしまいます。

そのまま逃げ切られたカープは、最下位相手に痛いカード負け越し。首位・阪神とのゲーム差は7.5となりました。

◇ ◇ ◇

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
島内投手の打たれた投球は、チェンジアップが抜けきれませんでした。新井監督は、「信頼は変わらない」と言っていましたから、あした以降もまた厳しい場面があると思いますが、しっかりとチームのために投げていってほしいなと思います。

石田充 アナウンサー
結果的に6カードぶりの負け越しを最下位チームに喫したということで、阪神のマジクは15に、広島カープのゲーム差は7.5となりました。

天谷宗一郎 さん
ただ、自分たちの野球をしっかりともう一度、足元を固めて戦っていってほしいなと思います。

石田充 アナウンサー
そして、あす5日からは、4ゲーム差のDeNAとマツダスタジアムで対戦します。そのあと、8日(金)~10日(日)は首位の阪神と甲子園で直接対決です。

天谷宗一郎 さん
真のヤマ場が来たなというような6連戦ですよね。上に行けるのか、下に行くのかの6連戦ですから。

石田充 アナウンサー
これで2位争いに巻き込まれるのか、首位争いが続くのかという大事な6連戦になります。ぜひ、力を出し尽くしてほしいと思います。

© 株式会社中国放送