中国主席、初のG20欠席 ロシアも、枠組み形骸化

中国の習近平国家主席(新華社=共同)

 【北京共同】中国外務省は4日、李強首相がインドで9~10日に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に出席すると発表した。習近平国家主席は中国主席として同会議を初めて欠席する。ロシアもプーチン大統領の欠席を既に発表。中ロのトップが出席を見送り、先進国に新興国を加えたG20の枠組みの形骸化が懸念されそうだ。米政府はバイデン大統領と習氏の米中首脳会談を模索していたが、先送りされた。

 中国は2008年の第1回会議以降、一貫して国家主席が出席してきた。中国外務省の毛寧副報道局長は4日の記者会見で習氏の欠席理由には言及せず「中国はG20を重視し、積極的に関与している」と強調した。だが国家主席の初の欠席で、中国の姿勢への疑念が広がりそうだ。

 中国はG20議長国のインドと係争地を巡る国境紛争で関係が悪化しており、習氏はインド訪問に後ろ向きとみられていた。インド政府は、中国政府が8月に公表した新しい地図にインド領の一部が中国領として記されているとして抗議している。

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