普段、呼吸を意識していますか?実は、ハアハアと浅い口呼吸をすると、それだけで疲れやすく、太りやすい体になってしまうそうです。
学生時代から40年以上体型が変わっていない、呼吸器外科の第一人者・奥仲哲弥先生の著書『お腹からへこむ!すごい「やせ呼吸」』の中で「口呼吸が慢性化すると血液中の酸素を全身に行きわたらせることができず、臓器は低酸素状態に。そして、冷えやコリなどの不調が起きたり、疲れやすくなったり、太りやすくなる原因にも!」と言います。
浅い口呼吸をやめると、酸素と二酸化炭素のバランスが整うから代謝がアップするのだとか。
そこでこの記事では、本書から正しい呼吸とその重要性をお伝えします。
太る呼吸をしている人の11の特徴
まず口呼吸で、呼吸の仕方が悪い人は一体どんな特徴があるのでしょうか?
以下のチェックリストの項目が習慣になっている人は要注意!太る呼吸をしています。
1:気づくと口が開いている
2:呼吸が浅い
3:階段を少し上がるだけで、ハアハアする
4:疲れやすい
5:ほおやフェイスラインが垂れてきた
6:下腹がぽっこり出ている
7:以前より運動が苦手になった
8:口が臭い
9:朝起きるとのどがカラカラ
10:せっかち
11:イライラすることが多い
ひとつでも思い当ったら、今すぐ呼吸の仕方を変えましょう。やるべき呼吸は「やせ呼吸」です。
長く強く息を吐く呼吸「やせ呼吸」にするだけでこんなに嬉しい変化があるそうです。
「やせ呼吸」であらわれる体に嬉しい9つの変化
1:お腹がペタンコに
横隔膜呼吸を行うと、お腹を内側からコルセットのように引き締める横隔膜が刺激され、お腹がへこみます。
2:疲れにくくなる
「やせ呼吸」で酸素と二酸化炭素のバランスが整うと、酸素が細胞のすみずみまで運ばれて、疲れにくい体に。
3:ボディラインが美しくなる
横隔膜を大きく動かしながら「やせ呼吸」をすると、お腹まわりの呼吸筋が使われて姿勢がよくなり、全身が引き締まります。
4:尿もれが改善
横隔膜を動かしながら大きく呼吸をすると、運動して骨盤を支える骨盤底筋群が動き、弱った筋肉が鍛えられます。すると、尿もれが改善!
5:脂肪と糖質が燃えやすくなる
「やせ呼吸」で酸素量がコントロールされ、代謝がアップ。まずは糖質、次に脂肪が燃えやすくなります。
6:ストレスが軽減する
横隔膜呼吸で自律神経の集まる横隔膜を刺激すると、副交感神経が優位に。ストレスが軽くなります。
7:よく眠れるようになる
特に寝る前に横隔膜呼吸を行うと、副交感神経が優位になるので寝つきがよくなります。また中途覚醒も減り、深い睡眠に。
8:集中力がアップする
酸素と二酸化炭素のバランスが整うので、脳に酸素がしっかり行き届くようになり、頭の中がスッキリ、クリアに!集中力がアップします。
9:血圧が下がる
横隔膜呼吸で血圧をコントロールしている自律神経のバランスが整います。血圧が安定し、高い血圧がダウン。
この本で紹介している「やせ呼吸」は3種類ありますが、日頃から浅い口呼吸が習慣になっている方は、その中のひとつ「いの口呼吸」から始めましょう。
短く速い口呼吸がクセになっている人は、息を吐き切ることができません。すると肺の中にいつも空気が残ってしまい、酸素と二酸化炭素のバランスが崩れる原因になります。
「いの口呼吸」は、口を「い」と発音するときのように横に広げた状態で息を吐ききる呼吸法です。これで長く強く息を吐ききる力が身に付きます。
横に薄く開いた口から、肺の中の空気をからっぽにするように吐き出して。意識して吸わずに自然と空気が鼻から入ってきたら、上手く吐けています。やり方は以下の通り。
長く強く吐ききる力をつける「いの口」呼吸
1:5~10秒口を横に薄く開いて「いの口」にして吐く
スッと1秒で鼻から息を吸ったら、口を横に薄く開いて「いの口」の形にして、そのまま口から5~10秒かけて長く息を吐く。
2:もう1回強く吐く
もう吐けないところまで吐いたら、最後にもう1回グッとお腹に力を入れて吐ききる。
3:自然に入ってくる空気を吸う
息を吐ききった後、自然に入ってくる空気を鼻から吸う。
これが1セットで、最初に戻り4~5セット繰り返します。
「やせ呼吸」をするときの正しい姿勢
この「いの口」呼吸を行うときは、姿勢も重要です。猫背のまま前かがみで呼吸すると、正しい姿勢のときより筋肉の機能が20%も低下してしまいます。
正しい姿勢は以下の通りです。
1:正しい座り方
イスに座り、鎖骨の下とへその下に手をあてます。
このとき両手が縦方向にほぼ一直線になるのが正解。
2:正しい立ち方
座り方と同様に、手を鎖骨の下とへその下に置きましょう。
そして足を肩幅に開き、リラックスして立ちます。上下の手がほぼ一直線なら、耳、肩、ひざの横もくるぶしを結ぶ線も一直線に。
どちらも、上下の手が一直線になっていればOKです。
「いの口」呼吸のポイントは息を吐ききってから、さらにグッと吐くこと。こうすると、肺に残った空気を吐き出せるので、必要な分だけの新鮮な空気が肺に入ってきます。
奥仲先生は、お風呂で「い段」で終わる歌を歌い、「いの口」呼吸を実践しているそうです。できるだけ長く気持ちよく「い~~♪」と歌いあげると長く吐く練習になり、ストレス発散にもなるので、ぜひ試してみてください。
(mimot.(ミモット)/ 水野 渚沙)