バンアパ25周年、大阪限定イベントで味わう懐の広さと深さ

バンアパこと、the band apartが10月21日・22日の2日間、大阪の「服部緑地野外音楽堂」(大阪府豊中市)にてイベント『SMOOTH LIKE GREENSPIA』を開催する。

the band apart

1998年に荒井岳史(Vo/Gt)、川崎亘一(Gt)、木暮栄一(Dr)の3人で結成されたthe band apart。原昌和(Ba)の加入を機に、ソウルやボサノヴァなどの洗練されたコード感を交えたロックサウンドへ変貌を遂げ、2001年にデビューした。

ちょうどHi-STANDARDが絶大な人気を集めていた時代。パンクやメロコアシーンで活動していた彼らは、Hi-STANDARDのようなバンドの影響を受けていたことは間違いないのだが、パンクやメロコアだけでなく、メタル、フュージョン、ソウル、ジャズ、ボサノヴァ、ラップといった広範囲に及ぶジャンルを吸収し、独自のサウンドを構築していたバンドは、彼ら以外にいなかったのではないだろうか。

音楽的な雑食性という意味では、むしろ渋谷系のアーティストにも近いかもしれない。確かに、バンアパの音楽はクラブミュージック的なスタイリッシュさが魅力だが、同時にロック的な熱さがあり、ライブバンドとしてのかっこよさは唯一無二。

思わず体を揺らしてしまう躍動感とフィーリング。演奏能力はめちゃくちゃ高いのにストイックさはなく、いい意味でゆるい。かれこれ25年も同じメンバーでコンスタントな活動を続けているのも、よくよく考えるとすごいことだが、気負いはなく、あくまでライフワークといった軽やかさで、海外ツアーもやってのける。

そんな稀有な音楽性とスタンスゆえ、あの川谷絵音(ゲスの極み乙女)が影響を公言するなど、多くのバンドに影響を与え続けているのだ。

『SMOOTH LIKE GREENSPIA 2020&2021』の様子

■ 2デイズ・4アーティストがゲスト出演

今回の『SMOOTH LIKE GREENSPIA』は、彼らが毎年大阪でおこなっている恒例のイベント。今年はバンド25周年のスペシャルver.で2日間にわたって開催される。1日目の「electrick」はいつもの爆音スタイル、2日目の「naked」はバンドのもうひとつの顔でもあるアコースティック編成でのライブに。the band apartというバンドの懐の広さと深さを味わえる、格好の機会となりそうだ。

10月21日にはYONA YONA WEEKENDERS、BREIMEN、22日には堀込泰行、渡邊忍が出演する。料金は4400円(2デイズ8000円)、学割1650円。ドリンク代別途500円。9月2日から一般発売される。

文/井口啓子

『SMOOTH LIKE GREENSPIA 2020&2021』の様子

『SMOOTH LIKE GREENSPIA 2023』

日時:2023年10月21日(土)・22日(日)/15:30〜
会場:服部緑地野外音楽堂(大阪府豊中市服部緑地1-7)
料金:4400円、2デイズ通し券8000円、学割1650円(別途ドリンク代要)
電話:06-6882-1224(GREENS/平日12:00〜18:00)

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