中田秀夫が放つエロティックサスペンス「秘密を持った少年たち」。主人公は佐藤海音、アヴちゃんプロデュースの龍宮城が演技初挑戦!

日本テレビほかでは、今年4月に新設された連続ドラマ枠「金曜ドラマDEEP」枠の第3弾として、「リング」シリーズや「スマホを落としただけなのに」などを手掛けてきたジャパニーズホラーの名匠・中田秀夫監督の完全オリジナル作品「秘密を持った少年たち」(金曜深夜0:30。初回は深夜0:40。TVer、Huluで毎話放送後に配信)を放送することが発表。中田監督と主要キャストによる制作会見が行われた。

「秘密を持った少年たち」は、望まずして“夜行”(やこう)という人を襲いその血をすする人ならざる存在になってしまった少年と少女の残酷な運命を描く、衝撃的なエロティックサスペンス。奪い合い、裏切り、嫉妬、いじめ、浮気――新進気鋭の若手俳優たちが、錯綜(さくそう)する人間関係に体当たりで挑む。

主人公・光石玲矢役を演じる佐藤海音、バンド・404 not foundのボーカルである貴崎慎一郎役の西田至のほか、「0年0 組-アヴちゃんの教室-」(日本テレビ)で誕生したグループ・龍宮城のメンバー7人全員が、本作でドラマ初出演。ヒロイン・吉野ユキ役には「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(同系)ほか女優として多くの話題作に出演中の大原優乃。さらに、夜行狩りのリーダー・黒瀬拓実役に、8月にTOBE所属が発表されたばかりの大東立樹。夜行狩りに襲われ亡くなった、404 not foundの元ボーカル・椎名孝之役にダンスボーカルユニット・原因は自分にある。の小泉光咲ほか、新進気鋭の若手俳優が出演する。そのほか、行方不明となった玲矢を捜す母の光石芳美役を橋本マナミ、予備校では生徒に人気の先生だが、秘密を抱える予備校教師・隆介役を大谷亮平が務める。

今回行われた会見には、中田監督をはじめ、佐藤、西田、大原、大谷のほか、龍宮城のメンバーで、バンド・404 not foundのバッキングギター・久保勧役の米尾賢人、キーボード・石橋ヒカル役の冨田侑暉、ギター・麻見葉役の竹内黎、ドラム・矢沢和馬役の伊藤圭吾、ベース・岡部雅人役の齋木春空が登場。

作品について中田監督は「今回、オリジナルということで、困難はいろいろありましたが、やりがいのある楽しい脚本開発であり、撮影もしんどい局面もあるのですが、その分、見せ場の多いドラマになっていると思います。映画では人間ならざる存在をたくさん描いてきましたが、本作の“夜行”がどういう人なのかというと、感情や行動が濃密で、欲望も濃厚でエネルギッシュな人間ならざる存在という理解で僕は進めました」と、作品と“夜行”について説明。

さらに、“血を吸う”夜行の行為について、「血を吸うというのは彼らにとって命をつなぐ行為でもあるので、本能的に吸わざるを得ない。その行為は本能に結びついているので、ラブシーンそのものとは言えませんが、近いニュアンスがある。エロスというのは必然的に意識しながら撮りました。視聴者の方にエロスとリンクして見ていただけるといいなと思っています」と解説。

そして、「大原さんは、大谷さんとも海音とも吸い吸われる場面があって大変だったと思うけど、頑張っていただきました。僕の要求度が高いので…。大谷さんは戸惑ってましたね」と撮影時の様子を振り返ると、大谷は「この現場、映っていない時も脱がすんですよ。視線に入るからって」と苦笑。中田監督は「大谷さんの背中があらわになった時に、広い背中だなと。この背中についていこうと思ったんです。頼りになる背中でした」と笑った。

体当たり演技を見せている大原は、「吸血するシーンの撮影では、特殊メークをさせていただいていて、首元から頬にかけて血管が浮かび上がったり、眼球の色も変わったり、絵的にもガラッと変わるので、吸血するシーンは、芝居のスイッチも切り替えるといいますか、狂気的だけど美しく見えるように演じています。愛を求めて吸血し合うこの世界がどこかはかなくて、残酷なんだけど美しく見えたらいいなと思っています」とコメント。

佐藤も「ユキと血を求め合うシーンは、監督のおっしゃるように求愛行動という意味のある行動だったりするので、ただ単に喉が渇いて、その辺の人の血を吸うのとはまた違った感情だったり、吸い方、見せ方があるので、血の吸い方の、使い分けは撮影していく中で勉強しながら頑張りました」と奮闘したことを明かした。

また、演技初挑戦となった龍宮城のメンバーに関して、中田監督は「最初はたぶん彼らも不安だと思うし、実は僕も不安でした。最初に会った時に誰を主人公にするかというところから始まり、プロデューサーにとことんリハーサルさせてほしいと頼んで。彼らには現場ではそんなに試行錯誤できないことを伝えて。でも、いざ初日のシーンを撮影した時に、(「あまり調子に乗らないでね(笑)」とメンバーに伝えつつ)彼らが自分たちの役柄をきちんと理解しているなと思ったんです。仲良しバンドのようで、実は全然仲良しじゃない。お互い引かれ合っている人もいれば、反目し合っている人もいて。彼らの間でも濃厚なエモーションの交わし合いがあるんですが、リハーサルをして脚本を読み込みながら、彼ら自身で初日から理解度が高いなと思って、その時、安心というか、いけるなと思いました」と彼らの努力を称えた。

ドラマ初挑戦にして主演を務めることになった佐藤は、緊張することも多かったそうだが、撮影が進む中で、撮影が2日間空くと「早く現場に行きたい!と思うぐらい楽しくやらせていただきました」と笑顔。それには中田監督の存在が大きかったようで、「中田監督が一から演技について教えてくださって、ラストシーンを撮り終えた時には『よく頑張ったね、僕の息子』と言ってくださった。愛情を注いで僕たちを育ててくださったんだなと思えて、監督ですが、父親のような存在でもありました」と感謝を述べた。

また、「秘密を持った少年たち」の主題歌は、龍宮城の最新曲「SHORYU(→↓↘+P)」(ショーリュー)に決定。龍宮城は、オーディション番組「0年0組-アヴちゃんの教室-」から生まれた、オルタナティブ歌謡舞踊集団。圧倒的な存在感を放つバンド・女王蜂のボーカルであるアヴちゃんが、グループの結成時からプロデュースを務めており、アヴちゃんは龍宮城のすべての楽曲を提供。新曲「SHORYU(→↓↘+P)」もアヴちゃんが書き下ろした楽曲だ。西田は「『SHORYU(→↓↘+P)』という楽曲は、歌詞に注目してほしいです。ドラマで重要な存在である夜行と、さまざまな登場人物たちの心の内というのを楽曲を通して表現しているので、ドラマの一部として聴いていただければ」と楽曲に込めた思いを伝える。

ドラマ出演にあたり、アヴちゃんから声を掛けられたかという質問には、齋木が「久々にお会いした時に、まず心の心配をしてくださって。『演技は楽しい?』など、優しい言葉をかけてくださったことがとても印象的でした」、竹内も「アヴちゃん先生が、『演技をしていて楽しいなと思うのは、たぶん自分じゃない人物になりきって演じていることが日頃の生活から離れることができて、楽しいんじゃないかな』という言葉をかけてくださって。僕ら初めての演技、ドラマということで、不安ばかりで怖いなと思うこともあったんですが、その言葉を聞いてからは、演技は楽しむもので、現場に入ると監督の優しい言葉を聞いたり、共演の皆さんと話したりして、楽しいと思えるようになりました。その言葉が印象に残っていますね」とアヴちゃんの言葉に助けられたことを明かした。

さらに、米尾は「アヴちゃん先生から演技指導をしてもらったこともあったんですが、エチュードみたいな感じで教わって、表現していく中で音楽と少し近いところもあるのかなと思ったりして。龍宮城はオルタナティブ歌謡舞踊集団ということで、とことん新しいことに突き進んでいきたいなと思うので、今回もこういう演技で新しい表現方法を学んでいけてとてもうれしいです」と、新しい挑戦に胸を張った。

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