「配属ガチャ」「上司ガチャ」嘆いているばかりでは… 聞かせたいパックンの話

山陰中央新報デジタル

 9月4日は米国で「新聞配達員の日」らしい。バーニー・フラハティ君という少年が初めて地方紙「ニューヨーク・サン」の宅配の仕事に就いたのが由来という。今から190年も前のきょうのこと。

 彼に当時の経緯など聞きようもないが、同様な経験をした人がいる。お笑いコンビ「パックンマックン」のパックンこと、米国出身のパトリック・ハーランさん(52)である。両親の離婚によって母子家庭で育ち、家計を助けるため10歳から8年間、新聞配達のアルバイトを続けた。

 早朝の配達により登校前に仕事を終えられることで、放課後は水泳部や演劇部の活動に集中。お金のかからない読書を趣味に学力を身に付けて、名門ハーバード大学に進んだ。入試の面接では、8年間休まずに続けた新聞配達が評価されたというから、何が幸いするか分からない。

 翻って今の日本では「親ガチャ」が定着した。生まれ持った家庭環境で人生が大きく左右されることを嘆いた言葉。企業版として「配属ガチャ」「上司ガチャ」なる派生語も出てきた。ただ、嘆いているばかりでは何も変わらない。気持ちの持ちようで事態が好転することもある。

 ちなみに日本では7月14日が「しんぶん配達の日」。1977年の同日、日本初の気象衛星「ひまわり」が打ち上げられたのに合わせた。衛星が気象情報を送り続けるように、配達員も毎日情報を届けているのが由来だ。

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