中国、伊の一帯一路引き留め躍起 成果強調も離脱なら習氏に痛手

会談に臨むイタリアのタヤーニ副首相兼外務・国際協力相(左)と中国の王毅共産党政治局員兼外相=4日、北京(中国外務省のホームページより、共同)

 【北京共同】中国外務省は4日夜、王毅共産党政治局員兼外相がイタリアのタヤーニ副首相兼外務・国際協力相と北京で同日会談したと発表した。王氏は、両国が中国の巨大経済圏構想「一帯一路」で「大きな成果を上げた」と強調した。イタリアは一帯一路からの離脱を検討しており、中国は引き留めに躍起になっている。

 一帯一路は習近平国家主席の提唱から今年で10年を迎え、中国政府は関係国首脳らを集めた国際会議を10月に北京で開催する予定。イタリアは先進7カ国(G7)で唯一、中国と覚書を結んで一帯一路に参画しており、離脱すれば習氏に痛手となる。

 中国外務省の発表は、タヤーニ氏が一帯一路に言及したかどうかには触れなかった。会談でタヤーニ氏は「中国との長期的で安定した関係の発展を重視している」と述べたという。

 王氏は、過去5年間で両国の貿易額が大幅に増え、イタリアの対中輸出は約30%増えたと主張。今後も「開放的な協力を堅持すべき」と訴えた。

 イタリアは2019年に当時のコンテ政権が経済回復を狙って一帯一路に参画した。

中国の王毅共産党政治局員兼外相(ゲッティ=共同)

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