教皇、国交なき対中関係「前進」 ロシア皇帝賛美の意図は否定

モンゴルから戻る機内で記者会見するローマ教皇フランシスコ=4日(バチカンメディア提供・ロイター=共同)

 【ローマ教皇特別機、共同】ローマ教皇フランシスコは4日、バチカンと国交のない中国との関係について「前進している」と述べた。カトリック教会が「外国勢力」の影響を受けていないことを示すために「宗教的な側面から理解を深める必要がある」と強調した。

 訪問先のモンゴルからローマに戻る機内での記者会見で語った。モンゴルは中国と結び付きが強く、今回の訪問では中国を念頭にモンゴルと関係強化を図ったとの見方があった。

 8月下旬には教皇がロシアの若者に向けた演説でロシア皇帝を賛美したとして、ウクライナから批判される事態となった。会見では「ロシアの偉大な文化の継承者だと伝えたかった」と述べ、帝国主義に賛同する意図はないと釈明した。

 86歳の教皇は今年に入り、気管支炎の治療と腹部ヘルニアの手術のため2度入院した。近年は膝の痛みから、つえや車椅子が必要となっている。2013年の就任時に比べ「旅は簡単でなくなっている。歩くのには限界がある」とし、外遊を減らす可能性に言及した。

ローマ教皇フランシスコ(ロイター=共同)

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