ロンドンの金庫で50年ぶりにフィルムが発見された! たった4年で解散したロックの歴史を変えた名バンドの軌跡

『クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド』©︎2022 Concord Music Group, Inc.

たった4年の活動期間で、その音楽は永遠となった—。アメリカン・ ロックの歴史を変えた名バンドが頂点を極めるまでの軌跡を、映像と音楽で辿ったドキュメンタリー『クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド』が、9月22日(金)より公開される。

このたび、ボブ・スミートン監督と、本作のサウンド・ミックスを手掛けたジャイルズ・マーティンのインタビューを収めた特別映像が解禁となった。また、CCRのファンを公言するDJのジョージ・カックルが登壇する公開記念イベントも決定。

汗と反骨、それは魂のロックン・ロール

「プラウド・メアリー」「ボーン・オン・ザ・バイヨー」「トラヴェリン・バンド」「バッド・ ムーン・ライジング」「グリーン・リヴァー」「雨を見たかい」「スージーQ」など、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(以下CCR)は、数々のロックの名曲を生み出してきた。

1960年代後半アメリカを代表するバンドのひとつとなり、“愛と平和の祭典”<ウッドストック・フェスティバル>にも出演。名実共に世界のトップ・バンドとなった彼らは、1970年ビートルズ解散4日後の4月14日、ロンドンの「ロイヤル・アルバート・ホール」でライブを行う。それは、終了後のスタンディング・オヴェーションが15分続いたというロック史上に残る伝説のライブ(ポール・マッカートニ ー、ジョージ・ハリスン、エリック・クラプトンらも見に来ていた)となったが、そのオリジナルのフィルムが今回、ロンドンの金庫で50年ぶりに発見。4Kリマスターで完全に復元されたのが本作である。

特別映像では、ボブ・スミートン監督が本作の制作経緯を語っている。当初はCCRの物語を、出会ってからロイヤル・アルバート・ホールのコンサートまでを語る予定だったが、コロナ渦でインタビューができず不十分と感じていたところ、ジェフ・ブリッジスにナレーションを頼んだらどうかという提案があった。「ジェフが『ビッグ・リボウスキ』で主役を演じたのは知ってたけどでも彼がCCRのファンかどうか?それでジェフにコンタクトしたらジェフはCCRの大ファンでナレーションを快諾してくれた。そして彼は見事だった」と語っている。

また、最初にアルバート・ホールの演奏を見た時の感想として、「画はやや質が悪くて音はまあまあだった。でもバンドのパフォーマンスはすばらしかった。この段階から仕上げまでに映像の質を上げ、より鮮明にした。驚くべきはサウンドだ。CCRがこんなすばらしいコンサートをしていたなんて」と感じたと言う。

「あの晩あの場に居合わせたかのような気分になれる」

本作のサウンド・ミックスを手掛けたのは、ビートルズ、ローリング・ストーンズなどの仕事で知られるジャイルズ・マーティン。マーティンは、初めて映像をみて「その場にいるような臨場感を出すこと」が自分の仕事だと感じたと言う。音声ファイルは、8トラックしかなかったというが、録音自体はよい状態で残されていたので、ミックスには支障がなかったようだ。また作業を進めていくなかで、「CCRはきわめて少数精鋭型で、一体となってすばらしいサウンドを奏でる。それが偉大なバンドというもので、すべてが暗黙のうちに成り立っている」とまさにCCRの音楽についての核心を捉えた感想を語っているの が印象的だ。

最後にボブ・スミートン監督は、「家でこの映画を見ても十分に楽しめるだろう。だが、映画館で大勢の友だちと一緒に見れば、あの晩あの場に居合わせたかのような気分になれる。最高だよ」と大音響とスクリーンがある劇場で観ることをお勧めしている。世界各国では、配信で封切りされた本作だが、日本では監督の望む通り劇場公開 でお披露目となった。是非、スクリーンで4Kリマスターされた映像とジャイルズが手がけた5.1chアトモスミックスのサウンドを堪能して欲しい。

<公開記念イベント>

日時:9 月 23 日(土)10:30 の回/上映後トーク
登壇:ジョージ・カックル(DJ/コラムニスト/作詞家/音楽プロデューサー/作家/サーファー)、 朝日順子(翻訳家・編集者・音楽ライター)
場所:角川シネマ有楽町(千代田区有楽町1丁目11−1 読売会館 8階)

『クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド』は9月22日(金)より角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開

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