かぼす珈琲、爽やかな風味楽しんで 日出町の就労支援施設が商品化【大分県】

「大分県の新たな土産品として定着させたい」と意気込む石井隆行代表(右)と矢野哲義さん=日出町大神
通所者が一つ一つ丁寧に袋詰めしている

 【日出】日出町大神の就労継続支援B型施設「ハート・トゥ・ホープ」(石井隆行代表)は県産カボスの風味を効かせたコーヒー「かぼす珈琲(コーヒー)」を商品化した。約2年間、試行錯誤を重ねた新商品。関係者は「県を代表する新たな土産品になってほしい」と期待している。

 同施設は2018年に、障害のある人が働く場として開所した。従来、B型の施設は作業の幅が限られている。商品の単価が安くなることも多く、通所者の賃金が向上しにくい傾向があるという。

 「付加価値の高い商品を作ろうと、職員で話し合った」と石井代表(50)=別府市中島町。カボスとコーヒーを組み合わせた珍しい商品の開発に乗り出した。

 当初はカボスの酸味がコーヒーに合わず失敗が続いた。関係者の紹介で出会った焙煎士(ばいせんし)に相談。カボスに合うコーヒー豆をブレンドしてもらい、爽やかな風味を味わえる商品が完成した。

 パッケージにもこだわった。施設の職員でデザイナーの矢野哲義さん(40)=大分市豊町=がカボスをイメージした包装を考案。通所者をサポートする職員の意見を取り入れ、障害の程度にかかわらず作業がしやすいように工夫が施されている。

 石井代表と矢野さんは「チャリティーで買ってもらうのではなく、いい商品ということで手に取ってもらいたい」と期待した。

 商品は10グラムのドリップコーヒー三つ入りで税込み1080円。町内藤原の「すずらん食品館」で今月上旬から取り扱いを始めた。オンラインでも販売している。

 問い合わせは平日の午前10時~午後3時。ハート・トゥ・ホープ(0977.85.8922)。

© 有限会社大分合同新聞社