9月24日に「プレーパークという居場所」 川崎市「子ども夢パーク」の事例など、西野さんが講演

 赤塚不二夫の「おそ松くん」や藤子・F・不二雄の「ドラえもん」などに登場するような、子どもたちが土管のある空き地で工夫しつつ自由に遊ぶ光景は、昔はどこにでも見られた。だが、今の子どもたちには自由に外遊びできるような空間が身近になくなり、遊びを通じて「生きる力」を身につける機会は激減してしまっている。そこで、冒険遊び場ともいわれる「プレーパーク」を整備しようという運動が、1970年代から草の根的に広がってきた。これは、手づくりの遊具や自然の素材などが置かれ、それらの使い方・遊び方などを引き出す大人の「プレーリーダー」も常駐する施設だ。今では国内約400カ所に設置されており、山口県内では、2013年に萩市、2020年に宇部市に開設された。

 山口市では、2018年に設置を目指す活動が始まり、翌2019年5月に「『プレーパークを山口に』実行委員会」(臼井裕貴子実行委員長)が立ち上げられた。以降、「いちにちプレーパーク」などのイベント、講習会、署名活動などが続けられている。

 同会による講演会「プレーパークという居場所」が、9月24日(日)午後2時から4時半まで、山口市民会館(山口市中央2)小ホールで開かれる。講師を務めるのは、フリースペースたまりば理事長の西野博之さんだ。

 西野さんは1960年生まれ。1986年から学校に行きづらい子どもたちの居場所づくりにかかわり、1991年川崎市高津区に「フリースペースたまりば」を開設。1998年からは「川崎市子どもの権利に関する条例」策定に携わり、2001年の条例制定後にはその具現化を目指した施設「子ども夢パーク」の開設(2003年)に尽力。同施設は、約1万平方メートルもの敷地に、プレーパーク、スタジオ、創作スペース、不登校児童・生徒の居場所となる「フリースペースえん」などを備えている。2022年には、夢パークの子どもたちを追ったドキュメンタリー映画「ゆめパのじかん」が公開。さらに、NHKの人気テレビ番組「ドキュメント72時間」でも「"どろんこパーク"雨を走る子どもたち」として9月に放送され、同年の「視聴者人気投票ランキング」で1位にも輝いた。

 西野さんは、2006年から2021年までの15年間にわたって所長を務め、今は総合アドバイザーに就任している。講演では、西野さんの子どもたちに対する思いや、「子ども夢パーク」などでの子どもたちの様子について聞くことができる。

 聴講には事前の申し込みが必要だ。希望者は、こどもステーション山口(TEL・FAX083-925-1486、co26station@yahoo.co.jp)へ住所、氏名、電話番号、メールアドレスを、ファクスかメールで伝える。定員は100人で、全席自由。料金は、一般1000円、25歳以下500円だ。託児サービスは、9月15日(金)までに申し込む。1人700円、2人目以降500円で、子どもの氏名・年齢・アレルギーの内容を、同様に伝える。

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