宮城県は、８月３１日に名取市の県立精神医療センターを富谷市へ移す代わりに、名取市には新たに民間の精神科病院を誘致する方針を打ち出しました。実現のため、県は民間病院の募集要項案を示し、年内の事業者選定に意欲を見せました。
県の４病院再編構想では、老朽化した名取の県立精神医療センターを東北労災病院と合築し、富谷市へ移す方針です。
富谷市移転への反対を踏まえ、名取市には新たに民間の精神科病院を誘致し、入院や外来に対応します。
県は４日夜、県医療審議会の病院部会で募集要項案を示しました。用地は県の土地を無償で貸し出す一方、施設の建設費や維持管理費は事業者が負担することなどが盛り込まれています。今後、選考委員会でのプレゼンテーションなどを経て、年内に事業者を選ぶ考えです。
一方、県精神科病院協会は４日夜の部会で県の構想とは反対に、名取市で県立精神医療センターを建て替えて残す案を示しました。これに対して県は、適した建設地を確保できないなどと反論しました。
県保健福祉部大森秀和副部長「県の提案より現実的ではないかと、はるかに現実的ではないかというお話でございますが、県と致しましてはご提案を見ましたが、逆提案の方が現実的とは考えておりません」
県は、募集要項案への意見を聞いた上で手続きを進めていく考えですが、反発の声も強く先行きは見通せません。
県精神科病院協会の代案について村井知事は「名取の場合は県の土地を無償でお貸しできるが富谷になると、自分で土地を手当てしていただくことになる。また、労災病院とゼロから協議しなければならないので、よりハードルを高くすることになりかねない」と述べました。
