【データで見える最強選手⑬】絶滅危惧種の「魔球」が復活! 被打率は驚異の.000

現代のベースボールを語るうえで欠かせないのがデータ。膨大なデータを使えば、あらゆる事実が見えてくる。速球のスピードを競い合う現代ではもう見られないと思われた「魔球」が復活した。しかも被打率は.000と圧巻の投球が披露されている。

日本時間6月25日のナショナルズ戦で先発し、メジャーデビューを飾ったパドレスのマット・ウォルドロン。先頭打者のレーン・トーマスに対してカウント1-2からの4球目に投じたのは76.3マイル(約122.8キロ)のナックルボールだった。

ほぼ無回転で放たれたボールが、左右に不規則に揺れながら落ちる「魔球」は絶滅危惧種の一つで、2021年にオリオールズのミッキー・ジャニスが投じて以来、メジャーでは1球も記録されていなかった(野手登板した野手による投球は除く)。

ナックルボールと言えば、殿堂入りしたフィル・ニークロ、通算200勝を挙げたティム・ウェイクフィールド、そして、2012年にサイ・ヤング賞を受賞したR・A・ディッキーらがその魔球を操り、打者たちを翻弄していた。

ウォルドロンは先発2試合、中継ぎ1試合の計3試合で14回2/3を投げているが、そのうちの20.5%、全48投球でナックルボールを披露している。その被打率は15打数で驚異の.000。なんと1本もヒットを打たれていないのだ。2021年に最後のナックルボールを投げたとされるジャニスは13打数で6安打を許しており、被打率は.462だっただけに、ウォルドロンのナックルボールがいかに優れているかがわかる。

しかもデータを見ればその違いは歴然としている。ジャニスのナックルボールも球速は77.9マイル(約125.4キロ)と差はないが、回転数は407に対してウォルドロンのナックルは322と少ない回転数で投げられており、ジャニスのハードヒット率66.7%に対して14.3%と圧倒していた。

現在は先発ローテーションから外れているウォルドロン。次回の登板がいつになるのかは不明だが、希少かつ脅威の被打率を誇る「魔球」だけに、彼が投げる際にはその「魔球」をしっかりと目に焼きつけておきたい。

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