期待のコメ新品種、収穫開始も「高温障害が心配」 今秋全国デビューの「はれわたり」 青森・鯵ケ沢町

岩本さんが「はれわたり」の刈り取りに励む水田=4日午後、鯵ケ沢町赤石町

 コメ作りが盛んな青森県鯵ケ沢町赤石地区の一部で、今秋の全国デビューを控える県産米の新品種「はれわたり」の刈り取りが進んでいる。はれわたりは、従来品種・つがるロマンに比べ、高温時の胴割れが発生しにくい品種とされているが、今夏は記録的猛暑。同地区で、昨年より早めの刈り取りに取り組む岩本秋雄さん(74)は4日、「初めて作る品種。何かしらの高温障害が出ていないか心配」と気をもんでいた。

 好天に恵まれた4日正午過ぎ、赤石地区の水田では、岩本さんがコンバインに乗って刈り取り作業に励んでいた。岩本さんはこれまで、約7ヘクタールの水田でつがるロマンを生産してきたが、本年産は「はれわたり」に全面転換した。

 赤石地区の中でも岩本さんの水田は、例年、田植えや刈り取りが比較的早い方だというが、今年は、昨年9月7日ごろに始めた刈り取りを5日程度早めて、2日ごろから開始した。

 岩本さんは、これまで生産してきたつがるロマンで、胴割れなどの高温障害が目立った年はなかったとしながらも、今夏の異常な猛暑続きに「心配だ」と懸念。品質に影響がないことを願いつつ、「肥料価格や燃料代の高騰で農家は大変な状況。米価が上向かないとやってられない」と話していた。

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