「VIVANT」乃木裏切り回を視聴データから考察 緊迫感で視聴者の目離させず “釘付け状態”を測る新指標

俳優・堺雅人主演のTBS系日曜劇場「VIVANT」(日曜、後9・00)は壮大なスケールと緻密に張り巡らされた伏線で、放送を重ねるごとにSNSで話題を呼んでいる。

ひときわ衝撃の展開となったのは、8月27日放送の第7話。堺演じる乃木憂助ら別班メンバーが謎の組織・テントとの接触に成功した直後、乃木が突然、仲間に向けて発砲。裏切りか、それとも…。数多くの考察がSNSを中心にあふれた。怒濤(どとう)の展開で視聴者が最も釘付けになったのは、どのシーンなのか。REVISIOが集計した新データ「注目度」を用いて分析し、注目の要因を考察した。

同社は家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンの「視られている量」を測定(調査地域:関東エリア2000世帯)。注目度とは「テレビの前にいる人(滞在者)のうち、テレビ画面に視線を向けていた人(注視者)の割合」を指す。

第7話で最も注目度が高い、つまり最も視聴者が釘付けになったシーンは午後9時41分ごろで、注目度は77.0%を記録した。これは乃木ら別班メンバーが、テント幹部・ノコル(二宮和也)らとの集合場所に向かうため、砂丘を車で駆け抜けるシーン。集合時間に間に合わなければ、テント幹部との接触という絶好の機会を取り逃がすことになる。BGMとして壮大なメインテーマが流れていたことも相まってか、手に汗握る緊迫感に視聴者の視線がより集まる結果となった。

2番目に注目度が高かったのは、乃木が別班を裏切り、発砲するシーン(午後9時46分)で、76.8%を記録した。丸菱商事の一社員である乃木だが、第4話(8月6日放送)で特殊部隊・別班であることが判明、さらに今度はその別班まで裏切るという同話最大の衝撃シーンが2位となった。ただ、このシーンについては、実は裏切っていないという予想や乃木とノコルの共謀説などさまざまな考察が。裏切りの意外性と、なにか意図があるのでは?という困惑が視聴者の注目を高めた。

3番目に注目度が高かったのは、午後9時32分ごろで、注目度は76.6%を記録。これは野崎守(阿部寛)ら公安とバルカ警察に尾行されていた乃木がタクシーからこつぜんと姿を消したトリックが防犯カメラの解析により判明するシーンだった。

また、同話の注目度最高値(77.0%)は、9月2日にテレビ朝日系で生中継された「FIBAバスケットボールW杯 日本×カボベルデ」の最高値78.3%(第2Q、富永啓生が3ポイントシュートを連続で決めたシーン)や、3月に同局系で生中継された「WBC決勝 日本×アメリカ」の最高値77.6%(優勝決定の瞬間)に匹敵する数字だった。

(よろず~ニュース調査班)

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