100年続く建物を誇りに 昭和初期の木造芝居小屋「翁座」の活用策を答申 「歴史的価値残しながら改修を」 広島・府中市

府中市上下町にある木造の芝居小屋、「翁座(おきなざ)」が今後、伝統芸能や子どもたちの発表の場として活用されることになりました。

「翁座」は昭和2年=1927年に開館しました。芝居小屋を備え、映画も上映していましたが、1960年に閉館。最近は土日や祝日のみ施設が見学できる、限定的な活用にとどまっていました。

建築物としても貴重な「翁座」を地域活性化の“起爆剤”とするため、2年前から委員会が検討を続け、先週、答申を出しました。

答申では「翁座」を▽歌舞伎・落語などの伝統芸能▽映画の上映▽イベント▽子どもたちの発表会の場として活用すべきとしています。また▽耐震化などの改修は、歴史的価値を保存しながら行うべきとしています。

翁座活用検討委員会 北野尚人 委員長(広島経済大学)
「本当に意義深い価値のある建物であり、町の拠点だった。現代の利用者のことも考えつつ歴史的意味を担保する、そのバランスをどう取っていくかが非常に大事」

府中市 小野申人 市長
「中国地方では唯一残された(木造の)芝居小屋。その歴史的価値を守っていく責任を改めて感じたところですし、100年続く建物で何かができるということを誇りにつなげたい」

府中市では、「翁座開館100年」となる2027年度までの整備完了を目指しています。

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