Z世代からも支持されるフジファブリック、20周年を前にライブ

2024年にメジャーデビュー20周年を迎えるロックバンド・フジファブリックが、10月29日に「Zepp Osaka Bayside」(大阪市此花区)でライブをおこなう。

フジファブリック

■ 『若者のすべて』が高校の教科書に、Z世代からも支持

今のフジファブリックを取り巻く状況を、いったい誰が予想できただろうか? フジファブリックは山内総一郎(Vo/Gt)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(Ba)、そして志村正彦の4人で2004年にデビュー。当時から心の琴線をかき鳴らす切なく美しいメロディと変幻自在のトリッキーなサウンドの妙で、いわゆるギターロックバンドの中でも頭ひとつ抜けた存在感を放っていた。

だが2009年、ほぼ全曲の作詞作曲を手掛けていた志村が急逝するという悲劇に見舞われる。そこでフジファブリックは、志村と自分たちが作ってきた楽曲を過去のものにしないため、バンドを継続する道を選んだ。

山内をボーカルに据えた新体制となった彼らは、『宇宙兄弟』『銀の匙 Silver Spoon』といったアニメの主題歌を手掛け、山下敦弘監督と松江哲明監督のオファーを受けてドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』の主題歌を書き下ろすなど、以前にも増してキャッチーかつエッジィな活動を展開する。

同時に、志村が書いた『若者のすべて』を桜井和寿(Mr.Children)がカバーしたのを皮切りに、藤井フミヤ、槙原敬之、草野マサムネ、柴崎コウ、私立恵比寿中学といったそうそうたるアーティストがカバーし、過去曲が再び脚光を浴びることとなる。

さらにAwesome City Club、Saucy Dog以外にも、Official髭男dism、sumika、マカロニえんぴつ・・・といった若い世代のアーティストがリスペクトを口にすることで、『若者のすべて』は一種のアンセム化し、高校の音楽の教科書に「2000年代を代表する楽曲」として掲載されるなど、日本のポップス史に刻まれる名曲として認知されるに至る。

2022年5月に放送された『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)での「令和世代が選ぶ最強平成ソング」では、4位に『若者のすべて』がランクインし、SNSをざわつかせたことも。

そんな再評価の高まりの一方で、常に新しい試みを続けている姿も、フジファブリックが今、支持されている点だろう。2021年にリリースしたアルバム『I Love You』では、JUJU、秦基博、幾田りらと自らオファーしてコラボレーションを実現。2022年のVaundyとのツーマンライブも大きな話題を呼んだ。

今回の「Zepp Osaka Bayside」でのライブは、全国ライブハウスツアー『プラネットコロコロ TOUE 2023』の一環となるワンマン。来年の20周年アニバーサリーに向けて、まだライブを未体験の人は今からチェックしておきたい。日時は10月29日・夕方5時開演。

文/井口啓子

フジファブリック「プラネットコロコロTOUR 2023」

日時:2023年10月29日(日)・17:00〜
会場:Zepp Osaka Bayside(大阪市此花区桜島1-1-61)
料金:6600円(1Fスタンディング/別途ドリンク代要)
電話:06-6341-3525(夢番地)

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