青森県むつ市川内町にあるサンマモルワイナリーのブドウ畑で、収穫前のブドウ約3千房(約360キロ)がクマに食い荒らされる被害に遭った。5日、同社が明らかにした。クマは複数いるとみられており、今月から来月にかけて収穫期を迎えることから、同社は「スタッフの安全第一で作業を進めないといけない」と警戒を強めている。
食害を確認したのは8月29日。この日は社員が実際にクマにも遭遇した。このため監視カメラを1台設置した。監視カメラには3日午後7~8時ごろ、畑を囲む網のそばをクマがうろつく様子が写っていた。
これまで山林に接しているブドウ畑を中心に4カ所で食害を確認した。畑には動きをセンサーで感知すると、音を発したり光が点滅したりする防犯ブザーを設置しているが、クマは上部から網を外し、網のそばのブドウを食べている。糖度が高く、香りが強い白ワイン用の品種・シュロンブルガーが被害の約9割を占めているという。
同社によると、食害は2020年以来。築舘文徳農場長は「これまで1年間作業を続け、あと2週間ほどで収穫という時に残念。まだクマが確認されているので、どのような対策をすれば良いのか再検討したい」と話した。