「魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~」梅原裕一郎 インタビュー

「共演経験のある方が多かったので、変な緊張もせずに、いろいろ助けてもらいながら進めていくことができました」

20年7~9月に第1期が放送され、これまでにない圧倒的な主人公像や魅力的なヒロインたちの存在が国内外で多くの反響を得たTVアニメシリーズの第2期「魔王学院の不適合者 Ⅱ 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜」(TOKYO MXほか)が放送中。主人公であるアノス・ヴォルディゴードの声を第2期から担当している梅原裕一郎は、ほかを寄せ付けない圧倒的な力、そこから生まれる余裕、そしてすべての命を慈しむ心を持ったアノスをどのように演じたのか。アフレコ現場の様子も含めて話を聞いた。

――第2期は、今年1月から放送されていましたが、コロナ禍の影響で制作が遅延し、第7話以降の放送が延期となっていました。そして、7月より改めて最初から放送され、第7話以降を見ていただけていることについては、どんなお気持ちでしょうか?

「まず、第2期が制作されるまでに結構時間が掛かった部分もありましたし、制作の都合で日が空いてしまったということもあり、皆さんの期待値が上がっているだろうなという気がします。でも、第7話以降が第2期の山場ではありましたので、そこからきっと皆さん、待っていた時間が報われるくらい、楽しんでいただけているのではないかと思っています」

――特に、第9話(9月2日放送)など、映像の作り方も非常にドラマチックな印象でした。

「そうですね。シン・レグリア(羽多野渉)の心の動きとマッチしたものになっています。どうしてもアフレコの段階では映像に色が付いていない状態での作業になるので、その時点ではどういう映像の演出になるのかは僕自身も分かっていないところだったのですが、そういう意味では視聴者の皆さんと同じタイミングで感動のシーンを体験できるとあって、そこはとても楽しみにしていました。きっと皆さんも楽しんでいただけたのではないでしょうか」

――梅原さん演じるアノスの余裕のある雰囲気と、梅原さんの低音の落ち着いたボイスがピッタリでしたが、ご自分でアノスとの相性の良さは感じられましたか?

「う~ん? 中身的には全く違っていて、僕はあんなに器が大きい人間ではないので(笑)。ただ、こういう人間がいたら、自分もきっとついて行きたくなるだろうな、みたいな。そういうイメージを持って役作りをしたので、そう思ってもらえたのではないかと思います」

――具体的には声の部分で、どういった役作りをされたのですか?

「第1話(1月7日放送、7月8日放送)の時、決して高めではないけれど、あまり低いところは使わずに“少し軽薄な感じなのかな”と思ってやっていたんです。でも、それだとどうしてもアノス特有の余裕がなくなってしまうというディレクションを頂いて、本番ではテストの時より声のトーンを少し落としたんですね。落としたことによって、どっしりとしたアノス像というものにマッチすることができたのかなと思いました」

――これまでには、やってみたらピッタリだったとか、あとで相性が良かったと気付いたとか、そういう役はあったのですか?

「確かにそういうこともありました。そのキャラクターを演じる時間が長くなればなるほど、そのキャラクターに歩み寄れるという部分がありますから。アニメだとどうしても1クールが基本になるので、そこに行き着くまで時間がなく、最終話くらいでようやく腑に落ちたなという時もあると言えばあるんですけど」

――基本的には、演じる時間が長くなるほど相性が良くなっていくと。

「そうですね。単純に慣れるというのもあるでしょうけど、やはり演じることによって“こんな要素もあったんだ”とか、そのキャラクターの知らなかった部分をどんどん知っていって、そこから自分と共通するところが結構増えていったりするので」

――では、最終話で腑に落ちた後、もう1回やらせてほしいなと思うことも?

「そう思うこともたまにあったりもしますけど(笑)。ただ、それがかなわないことも、アフレコの醍醐味の一つではあると思っています。第1話と最終話を比べて、“全然キャラクター感が違うじゃん!”と思うことは、よくあると言えばあることなので。なるべくそうはならないように最初から作り込めるように頑張るのですが、それはそれとして楽しみながらアフレコ作業をやっている側面もありますね」

――現場は、ミーシャ・ネクロン役の楠木ともりさん、サーシャ・ネクロン役の夏吉ゆうこさんとの収録が多かったですか?

「収録自体は、ミーシャ、サーシャは第1話でご一緒して、その後は飛び飛びでした。どうしてもこのご時世でスタジオに入れる人数制限もあって。でも、アノスはセリフが多いので、基本的は僕がブースにいて、隣に立つ人がどんどん入れ替わっていくようなやり方でしたね。共演経験のある方が多かったので、変な緊張もせずに、いろいろ助けてもらいながら進めていくことができました。絡みの多いキャラクターは基本的にその組み合わせで録るという形でスケジュールが組まれていたので、それがとてもやりやすくて、ありがたかったです」

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

「第1期から参加されている方が多いこともあって、皆さん、第1話の段階からスタッフの皆さん含めて『久しぶり~』みたいな空気感ができあがっていて、その輪の中にとても温かく迎え入れてくださった感じがあって、僕もとても入りやすかったですね。最初は、途中参加というのは、少し難しいポジションだなと思っていて。しかも、ほかの皆さんはキャラクターが第1期で固まっているのに、僕だけ一から作って行かなければいけないという状況だったので、そのギャップをいかに埋めるかという難しさはありました。でも、皆さんの作ってくださる温かい空気によって、それほど気負うことなくアフレコに臨むことができました。アノスたちの信頼し合っている柔和なやりとりの雰囲気は、現場がリラックスして臨める雰囲気だったことも一役買っていたと思います」

【プロフィール】

梅原裕一郎(うめはら ゆういちろう)

3月8日、静岡県生まれ。O型。 アニメ「AYAKA -あやか-」などに出演中。9月28日スタートの「お嬢と番犬くん」、10月7日スタートの「ティアムーン帝国物語〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜」(いずれもTOKYO MXほか)、今秋スタートの「ビックリメン」にも出演。

【作品情報】

「魔王学院の不適合者 Ⅱ 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜」
9月9日
TOKYO MXほか
毎週土曜 深夜0:30~1:00 ※地域により放送日時が異なります

話題のライトノベルを原作にした人気アニメの第2期が、第1期から3年を経て放送中。二千年前に戻り、ミサ(稗田寧々)の出生の秘密や大精霊レノ(阿澄佳奈)の死の真相にたどり着いたアノス(梅原)一行。現在に戻った後も試練が降りかかるアノスたちの運命は?

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取材・文/榑林史章 撮影/增田勝行(SIGNO) ヘアメイク/時田ユースケ(ECLAT) スタイリング/笠井時夢 衣装協力/Lui’s、Neucon

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