川でアユ釣り中、流されてきた人の命救う 釣り人2人に小山署と消防が合同で感謝状

(左から)諏訪消防長、笹口さん、小暮さん、大森署長

 栃木県小山市消防本部と小山署は8月31日、水難事故者の救助に貢献したとして、栃木市藤岡町藤岡、菓子製造業小暮一雄(こぐれかずお)さん(82)と小山市羽川、無職笹口一郎(ささぐちいちろう)さん(76)に感謝状を贈呈した。警察と消防が合同で表彰をするのは珍しいという。

 2人は釣り仲間で、同月17日午後4時ごろ、思川河川敷でアユ釣りをしていると、男性(57)が川に流されているのを笹口さんが発見。対岸にいた小暮さんに知らせ、小暮さんが岸から10メートル付近で男性の襟をつかみ岸に引き上げた。救急隊員が到着するまで2人は男性に声をかけ続け、体温管理をするなど応急処置に当たった。

 現場は救急車が入れない場所のため、小暮さんが車で救急隊員と男性を救急車まで搬送した。同本部によると、男性は県外から釣りに訪れ、釣りをしていた場所から下流に約700メートル流されていたという。

 同署で大森雄生(おおもりたけお)署長と諏訪良作(すわりょうさく)消防長から感謝状を受け取った小暮さんは「大変光栄なこと。当時は体が勝手に動いていた」、笹口さんは「男性が無事と連絡を頂いた時はほっとした」と話した。

(前列左から)笹口さん、小暮さん、(後列左から)諏訪消防長、大森署長

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