田中一村の作品8点寄託 21日から常設展で展示へ

田中一村が手がけた掛け軸「観世音菩薩」=3日、鹿児島県奄美市

 鹿児島県・奄美大島で晩年を過ごした日本画家、田中一村(1908~77年)の作品を所蔵する奄美市の田中一村記念美術館に、一村と交流があった故友永得郎・長崎大医学部教授の家族から風景画や掛け軸など計8点が寄託された。作品は21日から始まる秋の常設展で展示される。

 寄託されたのは、一村が20~40代を過ごした千葉で描かれた「毒だみの花」など色紙が3点と、50~60代を過ごした奄美時代に手がけた掛け軸「観世音菩薩」や色紙の計5点。

 同館によると、一村が九州や四国などを旅した後に1958年に奄美大島に渡る際、友永氏が島の警察署長らに紹介状を書き、お礼として作品が贈られたとみられる。

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