NY原油、9カ月半ぶりの高値 86ドル台、円安ドル高も進行

石油採掘装置の模型とドル紙幣=2020年4月(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】連休明け5日のニューヨーク原油先物相場は8営業日続伸し、指標の米国産標準油種(WTI)の10月渡しが前週末比1.14ドル高の1バレル=86.69ドルと、終値としては昨年11月中旬以来、約9カ月半ぶりの高値を付けた。外国為替市場では約10カ月ぶりの水準まで円安ドル高が進んでおり、輸入価格の上昇で日本のガソリン価格をさらに押し上げかねない。

 原油先物相場は、サウジアラビアが今年7月に始めた日量100万バレルの自主的な減産を年末まで継続すると表明したことから原油需給の逼迫を懸念した買い注文が広がり、一時1バレル=88ドル台まで上昇した。また、ロシアのノバク副首相が原油輸出量を1日当たり30万バレル減らす措置を年末まで延長すると表明したと伝わったことも相場を押し上げた。

 米国経済が深刻な景気後退を避けられるとの見方も原油相場を下支えしている。

 5日のニューヨーク外国為替市場の円相場は対ドルで急落し、一時1ドル=147円80銭と昨年11月上旬以来の円安ドル高水準を付けた。

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