水産業支援に207億円追加 1000億円超に

 原発事故で大きく膨れ上がる税投入。東京電力福島第一原発事故で増え続ける放射性物質による汚染水のALPS処理水海洋放出に伴い、日本最大の輸出国・中国が日本の水産物の全面輸入禁止措置や日本の水産物の加工や販売を禁止した措置を受け、政府は5日、全国の水産業支援に万全を期すとし、既に用意した800億円の基金による支援や東電による賠償に加えて、特定国・地域依存を分散するための緊急支援などとして207億円を新たに追加。総額1007億円にすることを閣議決定した。

 政府は207億円の新たな税金投入について「輸出先の新たな開拓や新たな輸出先ニーズに応じた加工体制の強化を支援する」と説明。ただ、海洋放出が完了するまで数十年にわたって岸田内閣からその後の内閣を含め「政府が責任を持つ」と放流時に約束しており、税金投入がどこで終結するのかは未知数と言わなければならない。
 
 政府は今回の207億円追加で漁業者団体等に対し、輸出減が顕著な品目(ほたて等)の一時買取り・保管や海外を含む新規需要開拓を推進することや水産業者等と海外バイヤーとのビジネスマッチング、展示会・試食会等への出展の支援、専門家による伴走支援等を通じた販路開拓サポート、既存の加工場のフル活用に向けた人材活用等の支援などを行うと説明している。(編集担当:森高龍二)

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