アニメを劇団四季が舞台化、東京で評判上々「バケモノの子」

「劇団四季」が、細田守監督の長編アニメーション映画をミュージカル化した舞台『バケモノの子』。2022年の東京初演では「その年最高のミュージカル」と言われるほど評判になった作品が、大阪でも上演されることに。9月5日には、大阪市内でキャスト3名による取材会がおこなわれた。

ミュージカル『バケモノの子』に出演する(左から)大鹿礼生、田中彰孝、菊池俊(5日・大阪市内)

乱暴者だが強い信念を持つバケモノ・熊徹が、1人ぼっちの人間の子ども・蓮を弟子にしたことで起こる、人間とバケモノの両世界を巻き込んだ騒動と、種族を超えた絆を描き出す。「アニメにしかできないのでは?」と思える描写の多い作品だが、四季が長年培った技術で、演劇的な見せ方を実現しているのが肝だと、3人とも胸を張る。

ミュージカル『バケモノの子』の取材会に登壇した「劇団四季」俳優の大鹿礼生(5日・大阪市内)

大鹿は特に、バケモノのバトルシーンを「パペットを使っているんですが『まさかこんな風になるなんて!』と思いました。舞台ならではの、アニメとはまた違う良さのある表現になっています」と、その創意工夫に驚かされたことを明かし、田中も「アニメなら絵で表現していた心情が、曲になることで伝えられるというのは、ミュージカルの醍醐味と楽しみ方では」と、音楽の強みを語る。

ミュージカル『バケモノの子』の取材会に登壇した「劇団四季」俳優の菊池俊(5日・大阪市内)

さらに菊池は、1つの役を複数の俳優が担当する、四季ならではのマルチキャストによって「演じる人が変われば雰囲気も変わるし、同じ作品でも毎日違います。進化し続けることができるというのが、生の舞台の魅力」と分析したうえで「僕は殺陣に自信があるので(笑)、ぜひ観に来てほしい。大阪では、より進化したものをお届けします」と意気込みを見せた。

ミュージカル『バケモノの子』は、12月10日~2024年5月25日に「大阪四季劇場」(大阪市北区)で期間限定上演。チケットは一般S席1万2000円ほか(料金は回によって変動)。初日~2024年3月31日のチケットは、9月16日から発売開始。

取材・文・写真/吉永美和子

劇団四季オリジナルミュージカル『バケモノの子』

期間:2023年12月10日(日)~2024年5月25日(土)
会場:大阪四季劇場(大阪市北区梅田2-2-22 ハービスPLAZA ENT)
料金:S席1万2000円ほか ※公演日などによって料金が異なるため公式サイトにて

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