アミノ酸「5-ALA」によるコロナ改善 有意差なし 長崎大が臨床研究

 長崎大は5日、新型コロナウイルス感染者に対する5-アミノレブリン酸(5-ALA)の特定臨床研究について、投与の有無でウイルス量に有意な差がなかったとする結果を公表した。試験管内ではウイルスの増殖を防ぐ効果が確認されていた。
 5-ALAは天然に存在するアミノ酸。人や動植物の細胞内で作られ、食品中にも含まれている。
 研究は2020年秋から製薬会社ネオファーマジャパン(東京)と共同で、新型コロナに感染した軽症と中等症の計50人を対象に実施。5-ALAとクエン酸第一鉄ナトリウムを14日間経口投与するグループと、投与しないグループに分け、▽ウイルス量▽臨床症状▽安全性(副作用)などの項目を比較した。
 結果、ウイルス量の変化に有意な差はなく、症状改善までの日数は投与されたグループが短くなる傾向だったものの、あまり差はなかった。味覚や嗅覚の異常、食欲不振は投与されたグループの方が大きく改善する傾向だったという。
 一部に嘔吐(おうと)など消化器症状の副作用がみられたが、安全性は許容範囲だった。国際学術雑誌「Medicine」に8月25日、論文が掲載された。

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