リンゴに落果被害 青森県・津軽地方 猛暑、少雨影響か

花和さんのリンゴ畑で自然落果した有袋ジョナゴールド=5日、板柳町飯田
落果したジョナゴールド。袋から出すと、表面が黒っぽく変色していた

 青森県内で暑さが続く中、津軽地方のリンゴ園で、収穫前のリンゴが自然落果する現象が起きている。県りんご協会によると、猛暑と少雨の影響で、品種を問わず落果が見られるという。県産業技術センターりんご研究所(黒石市)の担当者は「少しでも被害を減らすため、落果防止剤の散布も有効手段の一つ」と話す。

 板柳町飯田のリンゴ農家花和司さん(59)のリンゴ園では、果実の表面が変色する「日焼け」被害のほか、有袋ジョナゴールドの自然落果が8月20日ごろから目立つようになった。

 花和さんは「(収穫時期が遅い)有袋ふじも既に数個落ちている。このペースだと収穫までに3~5割程度落果するかもしれない。心配だ」と表情を曇らせる。

 早生(わせ)種のつがるは5日までに収穫を終えたが、表面の一部が変色しているものが多く、半分以上を加工用にせざるを得なかった。

 花和さんの畑は昨年8月の豪雨で浸水被害に遭っており、「去年水に漬かったので今年はジャム用が増えると想定していたが、半分以上になるとは思わなかった」とショックを隠しきれない様子だった。

 りんご研究所の後藤聡栽培部長は「研究所の畑でも落果が見られる。主力品種の中でジョナゴールド、早生ふじは高温少雨で落ちやすい性質がある。今後も暑さが続く予報のため、落果が増えないか懸念している」と話した。

© 株式会社東奥日報社