空き家の医師住宅、鯵ケ沢高校(青森県)生徒用に改修へ 全国募集での入居想定

鯵ケ沢高校に全国募集で入学した生徒向けに活用が想定される医師住宅=5日、鯵ケ沢町舞戸町下富田

 青森県鯵ケ沢町が、鯵ケ沢高校に全国募集で来年度入学する生徒の入居を想定し、空き家となっている鯵ケ沢病院の医師住宅の活用に乗り出した。病院の運営主体であるつがる西北五広域連合から財産移管を受け、本年度中に改修する考え。

 同校は本年度から2年連続で入学者が定員の半数未満(19人以下)になると、募集停止の協議に入る「地域校」に指定されている。本年度の新入生は16人にとどまり、初の全国募集も行ったが、県外からの入学者はなかった。学校の存続と活性化に向け、全国募集に期待がかかっている。

 改修する予定の医師住宅は2階建てで、同町舞戸町下富田に3棟ある。昨年8月の豪雨で浸水して以降、空き家となっており同連合が修繕中。

 町は3棟をそれぞれ、男子棟(最大3人収容)、女子棟(同)、共通棟と位置付け、共通棟は食事やミーティングの場、県外から保護者が訪れた際の宿泊場所としての利用を想定。修繕後に財産移管を受け、畳からフローリングへの張り替えや電気設備改修、水回り修繕、個室への鍵設置などを予定している。

 来年度も県外からの入学者がなかった場合は、町への「お試し移住」などでの活用が視野にあるという。

 町は8日開会の定例町議会に3棟の改修費4千万円を盛り込んだ2023年度一般会計補正予算案を提出する。平田衛町長は5日の取材に「学校存続に向け、町としてできることはしっかりやる。住んでいる人が温かく、少人数だけれど楽しく学べる、自然に恵まれた鯵ケ沢高校の魅力をPRしていきたい」と話した。

 川浪泰浩校長は「全国募集のPRに力を入れている中で、改修が決まればありがたい話」と歓迎した。

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