SNS騒然怖い絵本「トラウマ級」「衝撃ラスト」怖い絵本が子どもに与える影響やおすすめの怖い絵本を紹介

子どもに絵本を読み聞かせることは、想像力や語彙力を育む上で有益といわれています。

とはいえ読み聞かせが習慣化しているご家庭の中には、読む本を探すのに苦労されている保護者も少なくありません。

「お話がマンネリ化してきたかも……」と感じたとき、レパートリーに取り入れたいのが「怖い絵本」です。

この記事では、怖い絵本を読み聞かせるメリットや、読み聞かせで避けるべきこと、さらにはおすすめの怖い絵本をご紹介します。

前提として、「怖すぎる絵本」は避けるべき

「怖い」の定義は人それぞれですが、子どものトラウマになるような怖いお話は避けましょう。

子どもに読み聞かせるなら「ちょっとドキドキするけれど、笑いもある」「お話に救いや学びがある」絵本を選ぶことが大切です。

小さな子どもの心は、非常にデリケート。

絵本の刺激が強すぎると、子どもの苦手を増やしてしまう可能性があります。

恐怖心や苦手意識は簡単に生まれてしまう一方で、リセットするのは容易ではありません。

絵本を選ぶときは「ただ怖いだけ」「刺激が強すぎるだけ」のものは控えましょう。

怖い絵本を読み聞かせるメリット

怖い絵本を読み聞かせることには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

4つの効果を紹介します。

教訓を学べる

昔話の怖い話は、「してはいけないこと」「注意すべきこと」を盛り込んでいるものが少なくありません。

怖い絵本を読むことで、人が生きていく上で必要な道徳観や教訓を教えられます。

たとえば「約束を破ったために怖い目にあったお話」などを読めば、絵本を通じて「約束を破るのはいけないことだ」と教えられますよね。

口で説明してもうまく伝わらないことも、絵本ならするっと子どもの心の中に入っていきます。

子どもの感性が育まれる

絵本の登場人物の気持ちを追体験することで、子どもはさまざまな感情を学べます。

山あり谷ありの怖いお話を読み聞かせることは、子どもの感性・感受性を育てる上で有益です。

またお化けや妖怪などが出てくるお話であれば、「どんな姿なんだろう」「どんな声なんだろう」と子どもの好奇心が刺激されます。

未知のものへの興味・関心は、子どもの想像力を高めてくれるでしょう。

集中力が高まる

ハラハラドキドキする怖いお話ほど、先が気になってしまうものです。

怖いお話は子どもの興味をガッチリとつかむため、集中力の維持・向上にも役立ちます。

子どもによっては、読み聞かせが5分と持たない……ということもあるかもしれません。

ときには怖いお話を混ぜて、読み聞かせにメリハリをつけてみるのがおすすめです。

怖い絵本を読み聞かせるときに注意したいこと

「怖い」という感情は必要ですが、子どもをむやみに怖がらせることは好ましくありません。

怖い絵本を読み聞かせるとき、注意したいポイントをご紹介します。

子どもの性格を考えて読む本を決める

子どもの性格は1人ひとり異なり、恐怖の感じ方もそれぞれです。

絵本を選ぶときは、読み聞かせる子どもの性格に合わせて絵本の絵・お話を選択しましょう。

例えば「地獄の様子を描いた絵本」は、しつけに有効として一時話題となりました。ただし全ての子どもが同じ反応をするとは限りません。

地獄の様子を見てもけろっとしている子どももいる一方で、1人でトイレに行けなくなったり眠れなくなってしまったりする子どももいます。

「人気があるから」「評価が高かったから」などの理由で、安易に怖い絵本を選ぶのは避けましょう。

普段から怖がりだったり感受性が強かったりする子どもは、怖いお話への耐性が低い傾向です。

子どもの性格を見極めて、「このくらいなら大丈夫かな」と思えるお話を選んでくださいね。

恐怖をあおらない・しつけに使わない

怖い絵本を読むときは、恐怖をあおる演出は控えましょう。

大きな音を出したりいきなり大声を上げたりすると、ムダに子どもの恐怖心を高めてしまうかもしれません。

また絵本の内容を元に、「○○しなかったら鬼が来るよ」「地獄に落ちるよ」などと言うのも控えましょう。

恐怖によるしつけは、子どもに心理的なダメージを与えてしまいます。

「怖いから○○しない」「地獄に落ちたくないからやめる」…子どもにこのように思わせることは、正しいしつけとはいえません。

子どもを安心させてあげることが大切

怖い絵本のメリットは、「自分には安心できる場所がある」「ママやパパがそばにいてくれるから大丈夫」と実感できることです。

怖い絵本を読んだ後は、スキンシップを多めにしたり強めにハグをしたりしましょう。

子どもの健全な成長に必要なのは、周囲からの愛情といたわりです。

恐怖を感じっぱなしにさせることは控え、「怖くない」「大丈夫」と大人がフォローしてくださいね。

子どもも喜ぶ!おすすめの怖い絵本

子どもの怖がりレベルに合わせて、慎重に選びたいのが怖い絵本です。

ここでは、「ちょっと怖いけれど、最後は笑える」「怖そうだけれど怖くない」絵本を集めてみました。

「怖い絵本ってどうかな?」と思っているご家庭に、おすすめの絵本をご紹介します。

じごくのさんりんしゃ

ある日「ぼく」は、三輪車を買ってもらいに三輪車専門店「さんりんどう」を訪れます。

店主が出してくれたとっておきの三輪車は、えんま大王をかたどった「じごくのさんりんしゃ」。

このさんりんしゃに乗ると、いつもの世界がたちまち地獄に変わってしまって…。

子どもがさんりんしゃに乗って、地獄と化した町を探検するお話です。

地獄の描写はありますが、主人公の「ぼく」が楽しそうにしているため不安や恐怖はありません。

「地獄も怖いけれど、現実はもっと怖い!」というエンディングに笑ってしまう方も多いことでしょう。

巻末には地獄のモチーフについての解説もあって、大人も楽しめることうけあいです。

ぜったい あけちゃダメッ!

1匹のモンスターが「本のページをめくらないで!」とお願いしてくる絵本です。

「もし絵本をめくったら、こんな怖い目に遭うよ」「お父さんとお母さんに言いつけるよ」……、モンスターはさまざまな手を使って読者が絵本を読み進めるのを食い止めようとします。

最後のページまでめくってしまったら、どのようなこわいことが起きるのでしょうか?

モンスターはどちらかというとかわいらしい見た目で、恐ろしい雰囲気はありません。

子どもはワクワクしながら、最後のページまで読み進められます。

子どもの好奇心をくすぐる不思議なストーリーは、「子どもの心をガッチリつかみたい」というときにおすすめです。

怖いけれどためになる。教訓を学べるおすすめの絵本

教訓を教えてくれる絵本は、「もし約束や決まりを破ったら、こんな怖い目に遭うかも……」というストーリーのものが少なくありません。

ここからは、ためになる怖い絵本を探しているご家庭におすすめの2冊をご紹介します。

ただし、どちらの絵本とも、子どもが「怖い」と感じるツボを押さえているので要注意。

子どもの性格を考慮して、読む・読まないを決めてくださいね。

ねないこだれだ

怖い絵本といえば必ず名前が挙がる、おばけの絵本の名作です。

真夜中は、おばけが動き回るおばけの時間。いつまでも寝ないで遊んでいる子どものところには、おばけがやってきて……。

リズミカルな文章とかわいい絵柄で、子どもの興味を惹きやすい絵本です。

一方でお話のオチは、なかなかに衝撃的。

意味を理解できる子どもなら、少し恐怖を感じるかもしれません。

読み終わったあとは、子どもをギュッと抱きしめてあげましょう。

たべてあげる

ピーマンもにんじんも全部嫌いなりょうたくん。

ある日テーブルの上に小さなりょうたくんが現われて、嫌いな物を全部食べてくれるようになりました。

りょうたくんがあれもこれもと小さなりょうたくんに食べさせるうち、小さなりょうたくんはどんどん大きくなって……。

好き嫌いの多い子どもを震え上がらせる、食育エンターテイメント絵本です。

「たべてあげる」の意味が分かるページでは、大人も怖いと感じるかもしれません。

独特のリアリティを感じさせるイラストが、恐怖をさらに加速させます。

絵本を「面白い」と感じるか「怖くて無理」と感じるかは、子どもの性格次第です。

保護者がまず内容をチェックして、「大丈夫」と思えればぜひ読み聞かせてみてください。

トラウマ級とX(旧Twitter)でも騒然となった本作。

『たべてあげる』の続き『みがいてあげる』もぜひチェックしてみてくださいね。

まとめ

怖い絵本は、読み聞かせがマンネリ化しているご家庭のちょっとしたスパイスにおすすめです。先の読めないハラハラドキドキは、子どもたちの興味を惹きつけるに違いありません。 注意したいのは、「怖がらせすぎないこと」「子どもの性格を考えて本を選ぶこと」。強すぎる恐怖心は、子どもにストレスを与えます。子どもへの読み聞かせなら「怖いけれど、楽しい」「面白いけれど、ちょっと怖い」くらいの絵本を選びましょう。 また怖い絵本を読んだ後は、子どもを安心させてあげることも大切です。「自分には守ってくれる存在がいる」と子どもが思える環境を作ってくださいね。 文/カワサキカオリ

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