ボラの音で区民集合、児童は「魚役」で網の中 国頭村安波でシヌグ 五穀豊穣、豊漁願う

 【国頭】五穀豊穣(ほうじょう)と豊漁、無病息災を祈る国頭村安波(玉城てるみ区長)のシヌグ行事が8月21日(旧暦7月6日)、ソージ山のヒラバンタ広場で行われた。同行事は、新型コロナウイルスの影響により3年間中止が続き、昨年から再開した。午後5時半頃、集落の高台にある広場からボラを吹いて区民へ行事の始まりを知らせ、集落へ響く音色を合図に徐々に区民が集まり、約70人が参加した。

 行事は、現在同区に神人が不在であることから、区長・会計による祈願の後、広場のアサギで女性5人の踊りから始まり、参加した男性全員に神酒(ミキ)が配られた。玉城区長の太鼓と祈願場所の合図で、参加者全員で集落入り口のヌー神、海の神、広場のアサギに向かって手を合わせた。

 魚とり、航海の儀礼では安波小学校(大田出校長)の児童2人と区民が魚の役になり、地域の先輩の誘導で広場を3周走りながら、魚とりの網に引っかかる魚の役を演じた。儀礼終了後は、平識マキヱさん(85)、与座清美さん(53)の歌に合わせて、アサギで女性6人が踊った。広場では他の女性も加わり、15人によるウシデーク(円陣舞踊)が行われた。

 玉城区長は「3年間中止が続いたが、こういう行事をやらないといけないという区民らの要望で昨年から再開した。これからも地域の行事を大事にしていきます」と話した。

 (新城高仁通信員)

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