22年度の鳥獣被害2.6億円 和歌山で過去2番目の少なさ、豚熱でイノシシ減

年度別農作物被害の推移

 2022年度の野生鳥獣による和歌山県内の農作物被害額は2億6099万円だった。前年度比99.8%で、記録が残る1998年度以降では2番目の少なさ。被害をまとめた県は、伝染病の豚熱でイノシシの生息数が減少傾向にあることが影響しているとみている。

 過去10年では被害総額が3億円を超える年が多かったが、2020年度に11年ぶりに下回った。以降は、イノシシによる被害減が全体を引き下げている。1998年度以降で最も少なかったのは、2001年度の2億3257万円だった。

 主要4動物別では、イノシシ9314万円、シカ5393万円、サル4187万円、アライグマ2882万円。イノシシは前年度比で1300万円余り増えているが、20年度までは被害総額が1億円を大幅に超えていた。

 市町村別の4種による被害は、田辺市2470万円、白浜町388万円、みなべ町303万円、上富田町121万円、那智勝浦町650万円など。全30市町村のうち18市町村で、イノシシによる被害が前年度比で減少している。

 県は「今後も農地の防護や猟友会などと連携した野生鳥獣の捕獲を徹底していきたい」と話している。

 県は、26年度までを期間とする管理計画で「10年後に向けて生息数の半減を目指す」としている。年間の捕獲目標数はイノシシ1万7千匹以上、シカ1万9千匹以上、サル千匹以上と掲げている。

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