【連載コラム】第28回:300本塁打超えのペースで打ちまくるブレーブス打線 長打率5割超えなら史上初

写真:6日に45号ソロを放ち、両リーグ単独トップに立ったオルソン

MLBは8月の戦いを終え、9月に突入しました。今季ここまで両リーグ最多の勝ち星を記録しているのがナ・リーグ東地区の首位を独走するブレーブスです。日本時間9月3日のドジャース戦に勝利して今季90勝に一番乗り。その後、2連敗を喫してしまいましたが、2位フィリーズに14.5ゲームもの大差をつけており、6年連続の地区優勝とプレーオフ進出は確実となっています。

そんなブレーブスの快進撃を支えているのがシーズン300本塁打を超えるペースで打ちまくっている強力打線です。チーム防御率3.83は30球団中5位と投手力もトップレベルですが、打撃成績には圧倒的な数字が並びます。

打率.275 30球団中1位(2位はレンジャーズの.267)
795得点 30球団中1位(2位はドジャースの765)
263本塁打 30球団中1位(2位はドジャースの214)
出塁率.344 30球団中1位(2位はドジャースの.340)
長打率.501 30球団中1位(2位はドジャースの.457)
OPS.845 30球団中1位(2位はドジャースの.797)

今季ここまで両リーグ最多の45本塁打を放ち、球団記録(2005年アンドリュー・ジョーンズの51本塁打)の更新を視野に入れるマット・オルソンや史上初のシーズン30本塁打&60盗塁を達成し、「30-70」や「40-70」を達成する可能性すらあるロナルド・アクーニャJr.が牽引する打線は、137試合で263本塁打を量産。2位ドジャースに50本近い大差をつけており、162試合に換算すると311本塁打ペースとなります。歴代最多は2019年ツインズの307本塁打であり、新記録樹立の可能性は十分にあります。

また、現時点ですでにオルソンが45本塁打、マーセル・オズナとオースティン・ライリーが33本塁打、アクーニャJr.が32本塁打を記録。29本塁打のオジー・オルビーズがあと1本アーチを架ければ、2019年ツインズに次いで史上2チーム目となる「30本塁打クインテット」が誕生します。

さらに、20本塁打のショーン・マーフィーとエディ・ロサリオを含めると、現時点ですでに7人が20本塁打以上を記録。今季ここまで17本塁打のオーランド・アルシアが20本塁打に到達すれば、2019年ツインズが達成した「シーズン20本塁打以上8人」の最多記録に並びます。

これだけ本塁打を量産していると、おのずと長打率も高くなり、今季ここまでの長打率は驚異の5割超え(.501)。MLBの歴史上、長打率.490以上は、2019年アストロズ(.495)、2019年ツインズ(.494)、2003年レッドソックス(.491)、2019年ヤンキース(.490)の4チームしかなく、チーム長打率が5割を超えると史上初の快挙となります。MLB史上最強の「重量打線」と言っても過言ではないかもしれません。

この強力打線を武器に、2021年以来2年ぶり5度目となるワールドシリーズ制覇を目指すブレーブス。オルソンやアクーニャJr.の個人記録はもちろん、チーム全体の記録にも注目です。

文=MLB.jp 編集長 村田洋輔

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