デジタル改革、首相直轄に 信頼回復へ司令塔新設

 岸田文雄首相が6月の記者会見で表明した「令和版デジタル行財政改革」の具体案が6日、判明した。首相直轄組織の司令塔「改革会議」を新設して国と自治体のシステム基盤の共通化を急ぎ、教育、子育て、介護などの分野で住民サービスの向上を目指す。首相自ら改革を先導し、マイナンバーを巡る相次ぐ失態で失った国民の信頼回復を狙うが、デジタル庁と業務が重なりかねず、「屋上屋を架すようなもの」との批判が出そうだ。

 改革会議は、いずれも首相がトップを務める「デジタル臨時行政調査会」「デジタル田園都市国家構想実現会議」「行政改革推進本部」の三つの既存機関を束ねる上部組織と位置付ける。首相が議長に就くとみられ、人工知能(AI)も活用した効率的な住民サービスの構想を練って、三つの機関に具体策の検討を指示する役割を果たす。

 9月中に会議のメンバーや先行して実施するプロジェクトの座長を決める。実務を担う事務局は総勢50人を超える可能性があり、財務省、総務省、経済産業省のほか、デジタル庁からも職員を移す。

© 一般社団法人共同通信社