神戸、西日本に新聞協会賞 事件記録廃棄、人権の長期企画

 日本新聞協会は6日、2023年度の新聞協会賞を発表した。神戸新聞社の「神戸連続児童殺傷事件の全記録廃棄スクープと一連の報道」や、西日本新聞社の長期企画「人権新時代」など計5件が選ばれた。

 神戸新聞社は1997年の児童殺傷事件をはじめ、記録廃棄が全国で相次いでいることを明らかにした。最高裁が謝罪し、記録保存制度の改善に道筋を付けたとして「司法の認識の甘さを改めさせた調査報道」と評価された。西日本新聞社は、被差別部落出身の若手記者による連載で、「当事者の視点から差別の実態をつづる画期的なスタイルが大きな反響を得た」としている。

 新聞協会賞はほかに、読売新聞東京本社「『海外臓器売買・あっせん』を巡る一連のスクープ」▽毎日新聞社「『伝えていかねば』沖縄・渡嘉敷島 集団自決の生存者」▽日本放送協会「『精神科病院で患者虐待や高い死亡退院率』の一連のスクープと調査報道」。

 また本年度の新聞技術賞は、朝日新聞社「ブランケット復活装置の開発」に決まった。

 授賞式は10月18日、長野県軽井沢町で開かれる第76回新聞大会の式典で。

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