本人は謝罪も…セビージャのウルトラスがS・ラモスを獲得した上層部を強く非難「過去にこの選手から蔑まれ…」

写真:セビージャに復帰したS・ラモスだが…

セビージャのウルトラス『ビリス・ノルテ』は、元スペイン代表DFセルヒオ・ラモスの獲得オペレーションを実現させたクラブ上層部に対して強い怒りを感じている模様だ。

今夏、PSGを退団してフリーとなったS・ラモスはセビージャ加入を選択。サウジアラビア方面から提示された高給を蹴り、得られる可能性のあった最高額の約20分の1の年俸で“我が家”に帰還したのだった。

情熱的な応援で知られる『ビリス・ノルテ』は、何よりもクラブの歴史や、クラブとファンの結束を重視している。そんな『ビリス・ノルテ』が、クラブの生え抜き選手であるS・ラモスの復帰に強い抵抗を示しているのには、約18年の出来事に端を発する。

当時、まだ10代だったS・ラモスは、セビージャのトップチームでデビューを飾ってから、まだ約1年半ほどしか経過していなかった。だが、S・ラモスはスペインの10代選手としては最高記録となる2,700万ユーロ(現在の換算レートで約43億円)の移籍金でレアル・マドリードに移籍。この早期の移籍により、「セビージャを裏切った」と感じたファンは決して少なくなかった模様だ。

さらに、2017年1月にセビージャとレアル・マドリードが相対した一戦では、S・ラモスとクラブの因縁を深めることになる“事件”も。終始、S・ラモスに罵声を浴びせていた一部サポーターに向けて同選手が挑発行為に及び、両者の関係性にはさらに大きなヒビが入った。

セビージャとS・ラモスが1年契約を結んだことを受けて、『ビリス・ノルテ』は公式X(旧Twitter)上で声明を発表。クラブ上層部の決断を強く非難した。

「50年近くセビージャFCのウルトラスグループとして活動する私たちは、今回の契約実現に向けて動いた関係者たちを明確に拒絶する。私たちを支配するのは憎しみや恨みのような感情ではなく、クラブとその歴史、そして(クラブから)ファンに対する愛と誇りなのだ。今回の契約は、クラブをここまで偉大な存在に押し上げた価値観や、象徴であるエンブレムを守ってきた数々の伝説、過去にこの選手(S・ラモス)から蔑まれ、苦しみを味わった何千人ものセビリスタに対するリスペクトを欠いている」

「この声明は、主にセビージャFCの上層部に宛てたものである。近年の上層部の決断は、エンブレムに対する思いを尊重していないと感じさせられる。もう一度言おう。尊厳、価値観、エンブレムとファンへの敬意こそが、100年以上の歴史を持つクラブを支えている基盤だ」

「忘れてはいけないのは、セビージャFCとは私たち(すべてのファン)自身であるということだ。決して、セビージャFCを犠牲にして生きながらえようとする、クラブオフィスの肘掛け椅子にしがみつく人間たちのことなどではない」

なお、S・ラモスはセビージャの公式Xにユニフォーム姿で登場した際、セビージャのサポーターに対して「クラブを離れてから18年間、僕は間違いを犯した」と、過去に自身が行った行為や発した言葉について謝罪している。

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