メジャーでも難しくなくていい? コースセッティング担当・山崎千佳代の考え

会見に出席した(左から)山崎千佳代、JLPGA小林浩美会長、寺沢範美副会長(撮影/内山孝志朗)

◇国内女子メジャー◇日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 事前(6日)◇パサージュ琴海アイランドGC(長崎)◇6755yd(パー72)

日本で一番の女子プロゴルファーを決める戦いが、いよいよ幕を開ける。ことしの会場は2015年大会以来、2度目の開催となる長崎・パサージュ琴海アイランドGC。岡本綾子がコースセッティングを担当し、テレサ・ルー(台湾)が制した15年大会の優勝スコアは7アンダー、カットラインは6オーバーだった。

前回の開催から8年が経った。ことしは、選手たちの全体的な飛距離向上などを考慮して4番(パー4)が20yd伸びたものの、その他の17ホールは15年と同じヤーデージで行われる。また、フェアウェイ幅も前回が20~25ydだったのに対し、ことしは平均30ydとやや広がった。ラフの長さも前回は120mmの場所があったのに対し、ことしは60~70mmで刈りそろえられた。

スタートの1番(パー5/490yd)はストレートでプレッシャーは少ない(撮影/内山孝志朗)

開幕前日のこの日は日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公式記者会見が行われた。小林浩美会長、寺沢範美副会長、今大会のコースセッティングを担当した山崎千佳代の3人が出席した。

山崎は「(今夏の)大会を迎える前の厳しい暑さがコースコンディションに表れた」と前置きした上で、優勝スコアを通算17アンダー前後と予想する。

ことしから大会ロゴが刷新された(撮影/内山孝志朗)

「2015年よりは確実に伸びると思う。世界に向かっていくことを考えた時に、スコアを最終日まで伸ばし切る。レベルの高い数字になっても、最後まで息切れせずに伸ばしてほしい、ということもテーマの1つとして考えてきた」とロースコアでの争いに期待を込めた。

メジャーといえば、狭いフェアウェイに長いラフ、硬いグリーンと、タフなコンディションの中で真の“強い”ゴルファーを決める大会のイメージを持つゴルフファンは多い。

18番(パー4/420yd)は緩やかなドッグレッグ(撮影/内山孝志朗)

事実、ことし5月の「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」では、吉田優利の優勝スコアが1オーバー、カットラインは大会記録の9オーバーだった。山崎は「1年に4回の公式戦(メジャー)があって、開催季節も違う。(ワールドレディスは)オーバーパーでの優勝ということで見応えもあり、1打1打の難しさが引き出された」と振り返り、こう続ける。

「選手が我慢している表情を見ながらプレーを堪能したいファンの皆さまの気持ちも分かりますが、自分の中では単純に(コースを)長く狭くして選手に我慢を強いるよりも、思い切ってやってほしい。コースの景色もいいですし、今週は風が難しさを演出してくれると思う」と、コース全体の雰囲気に合わせたセッティングだと説明した。(長崎市/内山孝志朗)

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