社民党・福島党首 野村農相「汚染水」発言への岸田首相の対応批判「撤回、謝罪を求めるのは言論弾圧」

社民党の福島瑞穂党首が6日、国会内で定例会見に臨んだ。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出をめぐり、野村哲郎農相が8月31日に「汚染水」と発言し、岸田文雄首相が撤回と謝罪を求め、野村氏が陳謝したことに触れた。

福島氏は「正直、驚がくをいたしました。岸田総理が撤回、謝罪まで求めるということに、閣僚に対する締め付け、場合によっては言論弾圧。閣僚に対してそうするということはメディアに、一般の市民に対する締め付けもあるんじゃないかと考えております。何と呼ぶかは、人々がそれを判断すればいいこと」と述べた。

さらに「人によってこれを『処理水』と言うか『処理汚染水』と言うか『汚染水』と言うか。人によって見解がある。汚染水と言ったからと言って、そのひと言を持って撤回と謝罪を求められるというのは違うんじゃないか」と、野村氏の失言を〝擁護〟した。

社民党は、海洋放出された処理水について「汚染水」と表現する。理由について福島氏は「汚染水を処理しているが、放射性物質が完全に除去されているということの立証が完璧に済んでいるわけではない。やはり放射性物質が何らかの形で残っているために汚染水。処理汚染水って言うのがいいのかもしれませんが、ずーっとこの間、何年間か汚染水という言葉を使ってきておりますので、汚染水という言葉を使っております」と説明した。

中国が処理水を「汚染水」と主張し、その言葉を使うことについての批判があることについても福島氏は「それも違うと思っている。ここ何年間、NGOや市民団体…さまざまな人がこの汚染水の海洋放出に反対をしてきました。きちっとした説明もいまだもってなされていないと考えておりますから、汚染水という言葉を使っているわけで、中国が言っているからとかそういうことでは全くない。元々汚染水という言葉を使って、解消放出には強く反対をしてきました」と反論する。

福島氏は「こういう考えだから、こういう風に呼びますということをきっちり論争していけばいい話であって、そういう言葉を使うなと言うのはおかしい。言論弾圧だと思います。こちらは『処理水と言うな』なんていうことは岸田さんに対して言っていない」と持論を展開。「どうしてこれがそういう名前で呼び、何が問題かという論争をしっかり国会の中でもやっていきたい」と強調した。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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