県内の公立高校7校の寮や食堂への食事の提供を停止した広島市の業者が、破産申請の準備を進めていることが分かりました。
影響は県外の学校にも波及しており、関係者が対応に追われています。
県立三次高校の昼休み。学校が用意した弁当を受け取るのは、寮で生活する生徒たちです。
9月1日、業者との連絡が途絶え、食事が出せなくなった突然の事態。収束の兆しは見えません。
■男子生徒
「急なことだったので、最初はどうしたらいいんだろうという感じだったんですけど、学校の人がすぐ対応してくれたので安心して過ごせました」
■女子生徒
「弁当もおいしいけど、温かいご飯が食べたいなと思うので、寂しい気持ちです」
学校から連絡を受け、急きょ弁当を届けたのは、三次市内の仕出し業者です。
地元の生徒のためにと、採算を度外視しての支援に乗り出しました。
■鳩家 平田栄社長
「子どものことですから、やらないといけない。すぐにメニューを組んで、作らせてもらいました。とにかく食べさせてあげたいというのが一番でした」
食事の提供を停止した広島市中区に本社を置く「ホーユー」の山浦芳樹社長は、破産申請に向け準備を進めていることを明らかにしました。
信用調査会社によると、負債は2022年11月末時点で約16億7000万円に達し、3年間赤字が続いていました。
香川県の県立琴平高校の食堂では、食材の提供がストップ。
残った食材を使って、メニューをどんぶり1品に限定して対応してきましたが、これも7日から中止します。
■男子生徒
「いきなりだなって思って、悲しいですね。作ってもらったり、コンビニで買ったりですかね、あしたからは」
■教頭
「業者にはきちんと誠意をもって対応していただきたいが、あまり望めないので我々ができることは何かを考えてやっていきたい」
ホーユーのパート従業員として、県北で勤務していた女性は「7月分の給料が支払われていない」と語ります。
■ホーユーのパート従業員
「月末にATMに行った人は給料が入っていなくて困惑していた。お給料を払うことは働いてもらうこと。その対等なところが、今回はきちんと対応していただけていない。本当に残念で悲しくて悔しいなと思います」
「ホーユー」は全国約150の施設に食事を提供しており、影響がさらに拡大することが懸念されます。
【2023年9月6日放送】