川崎市「プールの水」賠償請求 「あまりにも過重な負担」早期撤回を 自由法曹団が声明

プールの水が流出した川崎市立稲田小学校=5日、同市多摩区(畠中 康成写す)

 川崎市立稲田小学校(多摩区)で、5日間にわたりプールに水を出しっ放しにした男性教諭らに対する川崎市教育委員会の損害賠償請求を巡り、抗議の声が上がっている。自由法曹団神奈川支部が6日、声明を発表。「一労働者である教員に対してあまりにも過重な負担を押し付けるものであって、許されない」とし、早期撤回を求めた。

 市教委によると、男性教諭は5月17日昼ごろ、同小のプール脇の機械室で装置を操作し、注水を開始した。直後にろ過装置の空回りを知らせる警報音が鳴ったことからブレーカーを落とし、そのままにしていた。同日夕に栓を閉める操作をしたが、ブレーカーが落ちていたためその後も注水が続いた。5日後に用務員が気付き水を止めた。

 水の流出量は約220万リットル(25メートルプール約6杯分)で、損害となる上下水道料金は約190万円だった。市教委は、装置の取り扱いに関するマニュアルが存在しなかったことも踏まえ、男性教諭と管理責任が問われる校長について「重過失ではないが、過失の程度は重い」と判断。8月8日付で2人に約95万円を請求した。

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