まっしぐら、つがるロマン1500円高 2023年青森県産米の概算金目安 青天の霹靂は3年連続同額

 全農青森県本部は6日、2023年産米を集荷した際に各農協が農家に仮払いする「生産者概算金」の目安額(60キロ、JA1等米)を決めた。「まっしぐら」は1万800円、「つがるロマン」と今秋全国デビューする「はれわたり」は1万1千円で、いずれも22年産から1500円引き上げた。2年連続の増額で、1万円超えは3年ぶり。一方、ブランド米「青天の霹靂(へきれき)」は前年と同額の1万5100円とした。

 同日、青森市の県農協会館で開いた運営委員会で明らかにした。同本部によると、新型コロナ禍で低迷した外食など業務用需要の回復や、全国的な主食用米の作付け転換を背景に、需給バランスが改善傾向にあることや、物価高騰に伴う生産コスト上昇を加味した。各農協は今後、同本部が示した目安額を参考に生産者概算金を決定する。

 昨年から県内販売が始まったはれわたりは、前年に続きつがるロマンと同額とした。同本部の笹森俊充副本部長は「県内消費の多いロマンからの置き換えを進める上で、はれわたりがどのような形で受け入れられるのか未知数。まずは県内で流通している単価ベースで売っていく」と理由を説明した。また、県外向けを含め、業務・家庭など用途を限定せずに売り込む姿勢を示した。

 安定した需要からコロナ禍でも大幅な下落を回避していた青天の霹靂の買い取り価格は、3年連続の同額となった。物価高を背景に消費者の節約志向が強まり、各地で家庭向けの高価格帯ブランド米の販売が振るわない状況を考慮し、据え置きとした。

 笹森副本部長は「(引き上げは)まだまだ十分でないという認識。取引先に生産費の上昇を理解してもらえるような販売体制を取り、プラスアルファで組合員にいくらかでも(追加払いなどで)戻せるよう販売を進めていく」と語った。

 東奥日報の取材によると、23年産米の概算金は、新潟の主力である一般コシヒカリで1万3900円(22年産比200円高)、まっしぐらと同様に業務用主体の栃木産コシヒカリで1万2300円(同1800円高)など、全国的に増額傾向にある。一方、新潟の魚沼コシヒカリは1万7200円で300円引き下げるなど、高価格帯米の苦戦がうかがえる。

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