金曜(キン) 29日(ニク)は「筋肉の日」! マ・ドンソクの自伝的『ファイティン!』&最新作『狎鴎亭スターダム』を観てバルクアップ

『ファイティン!』©2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

誰が呼んだか、「“金曜29日”は筋肉の日」! 9月の「13金」ならぬ「金29」は身も心も熱くなる“キンニク映画”を観れば、上腕二頭筋や大胸筋が自然とパンプアップする(はず)。……ということで、筋肉と愛嬌の魔合体もとい“マブリー”ことマ・ドンソク主演作の鑑賞をオススメしたい。

『ファイティン!』で泣いて鍛える表情筋&口輪筋

CS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:金曜29日は筋肉の日」で放送されるのは、マブリーの上腕二頭筋をこれでもかと堪能できるハートフルコメディ『ファイティン!』。韓国系アメリカ人であるマブリーの半生を反映したかのようなストーリーは感涙必至だが、同国の養子縁組問題にもしっかり触れている。

マブリーが演じるのは、アメリカでクラブの用心棒や警備員をしているマーク。かつて腕相撲チャンプにまでなったマークだが、幼い頃に養子としてアメリカに渡るも養父母の死後、孤独に暮らしていた。そんなとき、兄貴と呼んで慕ってくるジンギの誘いで韓国の腕相撲大会に出場するべく帰国するが、その裏では反社たちが八百長試合を画策していて……。

マブリーが子どもの胴くらいある剛腕でもって、次々と強敵を倒していく様子に目が釘付けになる本作。思わず吹き出しそうになるコメディシーンでは(表情筋が涙腺を圧迫するため)涙が出てくるが、ハン・イェリ演じるシングルマザー、スジンと子どもたちとの交流には胸が熱くなって感涙するはず。血の繋がりを問わず“愛情”が育む家族の形を提示した本作は、『新感染 ファイナル・エクスプレス』と並ぶマブリーの出世作だ。

マブリー流「こち亀」コメディ『狎鴎亭スターダム』で爆笑してインナーマッスル鍛錬

近年のマブリーは『犯罪都市』シリーズが世界中で爆発的ヒットを記録しているが、主演最新作『狎鴎亭(アックジョン)スターダム』が2023年9月8日(金)から日本公開となる。重戦車のような壮絶アクションから一転、自慢の張り手も(できるだけ)封印した本作は、マブリー流『男はつらいよ』か『こち亀』とでも言うべき脱力系コメディに仕上がっている。

整形大国・韓国でも高級エリアの江南にある狎鴎亭駅の周辺は、“整形ストリート”と称されるほど美容外科が密集しているという。本作はそのタイトル通り、狎鴎亭が整形天国になるきっかけを作った凸凹コンビの一攫千金ドタバタ物語……というのが大筋だ。2007年という舞台設定が登場人物たちのビミョーにダサい衣装でも表現されていて、スマホ以前の小道具と併せていちいち可笑しい。

マブリーが雑な髪色で演じるのは、「無職なのに街の顔役」という登場した瞬間から胡散くさい主人公、テグク。しかし儲け話への嗅覚はピカイチで、一般人でもヤクザ者でもテキトーなことを言って丸め込んでしまうスキルを持っている。そんなテグクとコンビを組むことになるのは、人に騙され医師免許を失った天才的美容整形外科医のジウ。ドロッドロの愛憎ドラマ『果てしない愛』(2014年)などで人気を博したチョン・ギョンホのナヨナヨ演技が新鮮だ。

あまりにもデカすぎる美容整形利権にあらゆるクセ者が首を突っ込みはじめ、さすがに行き当たりばったりで終始テキトーだったテグクも正義感に目覚め……みたいな展開は一切なく、終始テキトーなのが見事。最後の最後に『エクストリーム・ジョブ』(2019年)や『犯罪都市』(2017年)でお馴染みの“あの人”がカメオ的に登場するのでお見逃しなく。

なお、ムービープラス「特集:金曜29日は筋肉の日」では、ハリウッド筋肉代表ドウェイン・ジョンソンやチャニング・テイタム主演、『G.I.ジョー』シリーズ(2009年ほか)なども放送。イ・ビョンホンも見るからにガッチガチな腹筋を披露している、レッグレイズ“ながら観”にも最適な特集放送だ。

『狎鴎亭(アックジョン)スターダム』は2023年9月8日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国公開

『ファイティン!』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:金曜29日は筋肉の日」で2023年9月放送

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